海運大手のマースク社が香港の物流会社LF Logistics社の買収完了したとのプレスリリースが出ています。 https://investor.maersk.com/news-releases/news-release-details/acquisition-lf-logistics-holdings-limited-closed LF Logistics社は香港の物流会社で、実はLF Logistics Japanという100%出資の子会社を日本でも運営しています。 この買収案件は個人的に結構注目していまして、というのも、マースクといえば、海運企業では世界No.1です。 日本では商船三井や日本郵船などの海運企業が有名で、マースクという会社を聞いたことがない人も多いと思いますが、正直比べ物にならないくらいでかい企業です。 そんな世界No.1の海運企業がLF Logistisという陸運を中心とする会社を買収したというのは、海運業から陸運業にまでビジネスを広げるという意図が見て取れ、かなり攻めた案件だなと感じます。 この買収をきっかけに、マースクはどのように事業シナジーを創出してPLインパクトを見出していくのか、そして今後DHLやキューネといった会社がどのように舵を切ってくるのかも注目していきたいと思います。
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海運大手マースク、2020年第3四半期決算を発表
デンマークに本社を置く、海運大手A.P. モラー・マースク社が2020年第3四半期の決算を発表しました。 【2019年比】 ・2020年第3四半期の売上高(Revenue)は、$9917Millionで対2019年比で-1.4%の減収。Ocean(海上輸送)とTerminal & Towage(港湾)が物量の減少により減少となったが、Logistic & Service(物流、サービス)が増収。 ・同期のEBITDAは$2297 Millionで対昨年比で+37.8%の増益。
海運大手Maersk(マースク)社、2020年Q2決算を発表
デンマークに本社を持つ海運大手Maersk(マースク)社が2020年Q2の決算を発表しました。 今期の売上高は、新型コロナウイルスによる世界的な経済停滞の影響を受けて、対昨年比で-6.5%の$8,997 Million、+223%の$443 Millionでした。 セグメント毎での業績は下図の通りとなります。 ※原文はこちら
Maersk、2020年Q2の業績見通しを修正
海運大手Maersk(マースク)社が2020年第2四半期の業績見通しを発表しました。 同社の発表によると、2020年Q2のEBITDAはQ1より微増で着地する見込みとのことです。 当初の想定よりも貿易物量が回復傾向にあり、当初見込みのAPMM-20%~-25%減から-15%~-20%減に上方修正しています。 Read More…
Maersk(マースク)、2020年Q1決算発表
【ダイジェスト】 ・2020年の1stQuaterの売上高は$9,571Million。対昨年比で0.3%増 ・EBITDAは$1,521Millionと対昨年比23%増 ・コロナによるロックダウンの影響を受けつつも、最終的には前年比を上回る ・2020年のQ2はコロナによる影響が不透明だが、20%~25%程度の物量減少を想定 【原文】 The Interim Report 1 st Quarter 2020 for A.P. Møller – Mærsk A/S is hereby enclosed. CEO of A.P. Møller – Mærsk A/S, Søren Skou, states: “In the first quarter of the year, A.P. Moller – Maersk again delivered profitable growth. Operating earnings increased by 23% year-on-year, and cash […]
海運大手Maerskが中国⇔トルコ間の鉄道路線を立ち上げ 着々と進む一帯一路構想
世界最大の海運企業の「A.P.Moller Maersk」は中国のXi’an(西安)とトルコのIzmit(イズミト)間の鉄道輸送路線を立ち上げたと発表しました。 Maerskは3年前にヨーロッパと中国間での国境横断型の鉄道輸送路線を立ち上げていて、今回はその欧州⇔中国の鉄道路線にトルコ行きの新たな路線が加わった形です。 ※原文は「こちら」です。 ポイント1:鉄道は空輸より安く、海上より早いサービス 今回Maerskは中国と欧州間を鉄道で結ぶ物流路線を中東にまで拡大したわけですが、そもそもこの鉄道路線の特徴として、値段が空輸よりも安く、海上輸送よりもリードタイムが短いというこの二つの輸送モードのちょうど間を取った輸送サービスの品質を提供できるというポイントがあります。 そのため、例えば「自動車業界」や「ハイテク業界」といった短納期での物品輸送と、コストの抑制をバランスよく両取りできるニーズが高い業界で特に引きが強いようです。 顧客である荷主にとっては、輸送モーダルの選択肢が海上・空輸・陸路と増えるので、今後大きなメリットを得られるサービスだと考えられます。 ちなみにMaerskのサイトに海上・陸上・空輸のそれぞれのサービス比較表が付いていて、下記の通りとなります。 ポイント2:着々と進む中国の「一帯一路」 ご存知の通り、中国の習近平は2013年に「シルクロード構想」を打ち出しています。 これは欧州と中国間の物流ルートを海上と陸上で繋いで、貿易の活性化を行うという目的で始まった取組ですが、今回のリリース記事にも「ambitious initiatives taken by the government to improve the rail infrastructure(政府による鉄道インフラを改善する野心的なイニシアチブが働いた)」とある通り、今回の発表はこの政府主導で進める一帯一路構想が徐々に形なってきている解釈できそうです。 ポイント3:「トルコ」のポテンシャル トルコのGDPは2000年に入ってから急速に成長しています。 今後も欧州と中国の物流ルートのハブとして、成長していくことが予想されます。 日系企業も、例えば2014年に日本郵船がトルコの物流企業であるInci Logisticsに出資をすることを発表したり、2013年に日立物流がトルコの物流企業を買収していたりと、トルコ市場を重要視している動きが見られます。 またトルコの大手物流会社のBarsan Global Logisticsは2019年に東京に支店を開設しています。
2020/2/18 マースク社発表のコロナによる物流情報
グローバル大手海運企業のMaersk(マースク)は、コロナの影響に関する情報をアップデートしました。 ◆概況 同社の発表によると、中国のほとんどの省での操業が、徐々に再稼働を始めたとのこと。ただ再稼働にあたり、企業は安全と衛生面を一定の水準で維持する必用があり、中国自治体への届け出申請も必要とのこと。また、コロナにより人手の確保が難しく、稼働に影響が出ている。 ◆オフィスの状況 マースク社は、多くの従業員に対して在宅勤務を推奨。顧客への問い合わせ対応等は、通常通り稼働している。ただ、武漢のオフィスは、2月20日まで祝日が延長されたことを受けて、未だにオフィスは稼働していないとのことです。 ◆倉庫の稼働状況 マースク社の中国の全ての倉庫で、現状通常通り営業。 ◆陸運 多くのトラックベンダーが再稼働をしたものの、規制クリアと中国当局へ許可申請が必要となるため、実際の労働力に関しては平時の50%以下とのこと。また、トラックの積載率が低い点ついても課題だと言及しています。 ◆空輸 旅客は出国・入国規制があるものの、多くの空輸企業は徐々に再稼働しているとのこと。一方、物量が足りず、突発的にフライトがキャンセルリスクはある。 同社は、2月下旬から3月にかけて物量が増えてくると予想している。一方、コロナによる配達遅延の影響から、顧客の納期短縮要望を受け、海運→空輸への切り替えが増えると予想しています。 ◆鉄道 物量、積載率共に回復傾向。多くの顧客が、納期短縮の手段として鉄道を選択している状況にあり、引きは増えているとのこと。
マースク社がスリランカ製電気自動車のend-to-end輸送を発表
2020年1月23日デンマークの大手海運企業Maersk社(マースク)は、スリランカの電気自動車「Vega EVX」をコロンボ(スリランカ)からジュネーブ(スイス)までend-to-endで輸送すると発表しました。今回のスリランカ-スイス間輸送は、積み地から納品先までをマースク社一社で一貫して対応し、輸送の工程で発生する関税申告、積荷・荷降ろし、法規制対応、損害保険等のサービスまで同社が対応するとのことです。 Maerskは売上高世界一の海運企業ですが、海運のみならず総合物流企業を目指しています。同社は総合物流企業の実現に向けて、鉄道やトラックを活用したインターモーダル輸送の実現、製品輸送上必要な書類や手続き関連、損害保険等の付帯サービスの提供が必要だと考えており、今回の輸送はその足掛かりとなる重要な取り組みと位置付けているとのことです。 なお、VEGA EVXはスリランカ製のEVスーパーカーで3月にスイスジュネーブで開催されるジュネーブモーターショー2020に展示されるとのことです。