FedExの企業情報 業績や最新のニュース
北米最大手の物流企業FedEx(フェデックス)の企業情報です。
国内でも主に都心部を中心に、紫とオレンジの「FedEx」のロゴが付いた軽トラックを良く見かけるのではないでしょうか。
物流業界へ転職を考えている人や、FedExのサービスに興味がある人等、参考にして下さい。
目次
◆企業概要
企業名 | FedEx Corporation |
設立年 | 1971年 |
本社 | 北米 テネシー州 |
海外展開 | 220か国 |
従業員数 | 約239,000 |
年間売上高 | 約7兆6660億円 |
株式公開 | 非上場 |
日本オフィス | 東京都江東区 有明イーストタワー |
比較までに日本郵便の親会社である日本郵政でも年間売上高は、3兆8800億円程度です。FedExは物流サービスだけで7兆円を超える巨大物流企業だということが分かります。
◆事業内容
FedExは総合物流企業ですが、具体的には5つのセグメントに分かれています。
1.FedEx Express
国際宅配事業です。母体である「FedEx Express」に加えて、傘下にオランダの「TNT Express」も持ちます。全世界22oの国や地域に対して宅配物を輸送する事業です。
2.FedEx Ground
北米における宅配事業及び、北米とカナダのビジネス住所宛てに小包を輸送する事業です。「FedEx Smart Post」という小売企業向けの低価格輸送サービスも提供。
3.FedEx Freight
北米内における航空輸送サービスです。小口貨物を対象として、北米内に速達する「FedEx Freight Priority」と、より安価に輸送できる「Freight Economy」を提供。
4.FedEx Service
マーケティング、請求処理、ITサービスといった、物流のバックオフィス業務を推進する部隊です。買収したKinkosの印刷・発送事業を「FedEx Office」として運営しています。
5.FedEx Logistic
通関業務や海運事業の他、物流事業者向けにのサプライチェーンマネジメントソリューション(SCM)、Eコマース向け配送ソリューション、サービスロジスティクス事業、3Dプリンティング事業といった様々な物流サービスを提供しています。
◆業績
-企業全体での業績
2017 | 2018 | 2019 | |
Revenue(売上) | 60,319 | 65,450 | 69,693 |
EBIT | 4,566 | 4,272 | 4,466 |
EBIT率 | 7.6% | 6.5% | 6.4% |
純利 | 2,997 | 4,572 | 540 |
純利率 | 5.0% | 7.0% | 0.8% |
※単位は百万ドル
【ポイント】
・2019年の業績は増収、減益。
・2019年減益の主因は、退職積立金の公正評価実施に伴う、積立金の追加積立による$2.9 Billionの費用計上。
・また2018年は、トランプ大統領の「2017年税制改革法」による法人税の減額により、繰り延べ税金負債の評価変えで、$1,150 Millionのその他収益が暫定的に発生した。
・その結果、2019年は対前年比で最終利益が大きく下振れた
-セグメント毎の業績
1.FedEx Express
2018 | 2019 | 成長率 | |
Revenue(売上) | 36,172 | 37,331 | 103.2% |
Operating Income | 2,105 | 2,123 | 100.9% |
OI率 | 5.8% | 5.7% |
【ポイント】
・売上は前年比+3%。Eコマースの利用が増えたことで北米内の小包配達事業が堅調に推移したことが主因。
・利益率は-0.1%。主因としては、燃料費の高騰による。
2.FedEx Ground
2018 | 2019 | 成長率 | |
Revenue(売上) | 18,395 | 20,522 | 111.6% |
Operating Income | 2,529 | 2,640 | 104.4% |
OI率 | 13.7% | 12.9% |
【ポイント】
・2019年の売上高は対昨年比で11.6%成長。
・売上成長の主因はEコマースビジネスによる宅配向け物量の増加。
・2019年の利益率は、燃料費の高騰と、週6日配送に伴う輸送コスト費用の増加により、減少。
3.FedEx Freight
2018 | 2019 | 成長率 | |
Revenue(売上) | 6,812 | 7,582 | 111.3% |
Operating Income | 490 | 615 | 125.5% |
OI率 | 7.2% | 8.1% |
【ポイント】
・2019年の売上高は対昨年比+11.3%増。
・売上増の主因は、ベースレートの値上げにより、単価の増加。
・燃料費高騰も吸収し、2019年の利益率も増加
4.FedEx Service
2018 | 2019 | 成長率 | |
Revenue(売上) | 1,650 | 1,691 | 102.5% |
Operating Income | 0 | 0 | |
OI率 | 0.0% | 0.0% |
【ポイント】
・2019年度の売上高は対昨年比+2.5%。
・Service部門のコストは全て、Express及びGround部門に按分。
・2020年度から、Service部門は報告セグメントから外れて、Corportateで報告。
5.FedEx Logistic(Other)
2018 | 2019 | 成長率 | |
Revenue(売上) | 2,421 | 2,567 | 106.0% |
Operating Income | -852 | -912 | 107.0% |
OI率 | -35.2% | -35.5% |
【ポイント】
・売上高は対昨年比で+6%増
-エリア別業績
2019 | 2018 | 成長率 | |
International | 22,109 | 21,869 | 101.1% |
U.S | 47,584 | 43,581 | 109.2% |
【ポイント】
・国内事業vs国際事業は、37%vs63%。売上源の大半が国内事業。
・国内事業が前年比+9.2%と好調。
◆気になるニュース
FedExは2019年時点で合計681の航空機を保有しています。そして今後の5年間で、航空機を更に153機増やす予定と発表しています。
2019年には、ボーイング777F(21年-25年導入)を12機、ボーイング767F(20年-22年導入)を12機新たに購入する契約を締結していて本気で推進していることが伺えます。
◆直近のニュース
ブログ管理人について
元々物流会社で勤務してました。今は外コン勤務です。
SCMに携わってもうすぐ10年。自分の学びも含め、世界の物流・サプライチェーンに関する情報収集・発信しています。
よろしくお願いします。
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