外資系物流社員がおすすめする物流書籍をカテゴリ別で公開
IT技術の進化や新型コロナウイルスの影響により、自社の物流網・サプライチェーン網の見直しを進めている企業も多いのではないでしょうか。
更に日本では人手不足、高齢化といった社会構造の変化も重なっていて、サプライチェーンを抜本的に見直す必要性も高まっています。
そうした中においても、情報を浴びて、少しも多くのインプットを増やしておくことが大切だと考えます。
本記事では外資系物流企業で勤務するブログ運営者が、物流担当者におすすめの物流書籍を紹介したいと思います。
おすすめの物流本・書籍
これまで読んできた物流関係の本の中で個人的に好きだと感じた本をカテゴリ別にまとめてみました。
カテゴリとしては下記となります。
1.初級者向けの書籍
2.専門性を培いたい人向けの書籍
3.物流コンサルタントを目指したい人向けの書籍
4.物流トレンドを抑えたい人向けの書籍
参考にしてみて下さい。
▶初級者向けの書籍
いざ、物流業界へ!
これから物流の世界に足を踏み入れようとしている初級者向けだと感じた書籍です。
『物流業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』
企業研究、先端技術の紹介、業界構造、物流関連の法規制等、1冊に内容が沢山詰まっているので、物流を知る上では大変コスパが良い。
2021年発刊のベストセラー本。初心者向けに法令等細かい点が整理されている。
まずはここから!って感じですかね。
『基礎から学べる!世界標準のSCM教本』
APICS/ASCMという団体が作った世界水準でのSCMフレームワークの日本語訳です。
物流はマテハンの手配、不動産、人員配置、トラック手配など、沢山の人々が関わりますので、社内外で沢山コミュニケーションが発生します。
こうしたフレームワークを理解しておくことで、物流関係者とグローバルレベルで意思疎通ができるかなと思い、おすすめ本に選定しました。
▶専門性を培いたい人向けの書籍
物流業界に身を置いている人が、もう一歩専門性を培いたい時におすすめの本です。
『需要予測の基本』
需要予測の精度を上げれば、無駄な発注を避けられるので在庫を最適化できます。
昨今ではAIによってその精度も上がってきていますし、その重要性も上がっています。
一方、そもそも需要予測とは何のか?どういったことから手を付ければいいのか?
需要予測の担当者として専門性を高めていきたい人が、その道に進む前に読むのにおすすめの本です。
『すぐわかる物流不動産』
物流業界は2000年代初頭からの3PL企業の登場によって、大きく構造が変わったと言われています。
それに伴い、広大な土地を買い、そこに複数のテナントを入れるという物流不動産ビジネスも始まりました。
どこに倉庫を構えればいいのか、どのように物流不動産を買えばいいのか、投資金額が大きいので物流不動産は専門性の高い職業の1つです。
実際自分がいた外資系の物流会社でも、不動産を専門に担当する方がいました。
物流不動産に興味がある方は、そのとっかかりとして活用できるかなと思います。
▶物流コンサルタントになりたい人向け
データを使って複雑な物流網を整理したり、課題を発見する。
そんなコンサルタントを志向する人向けのインテリ本をまとめてみました。
『協調時代のサプライチェーン』
セイノー情報サービス社長の鳥居さん監修の書籍なのですが、物流本の中では個人的に一番好きでした。
何が良かったかというと、まずここ数年の物流のトレンド(CO2削減、デジタル化、調達網のリスクヘッジ、シェアリング)をしっかり抑えられていること。
そして、その現場への落とし込み方についても書かれているので、現場感があってイメージしやすいんですよね。
本の中に図がたくさんあるので分かりやすいです。出版日も2022/3月と比較的新しいです。
現時点でKindle版がないですが、ソフトでも読む価値ありかなと思います。
『物流アルゴで世が変わる』
輸送の配車問題や、庫内のロケーション問題等、物流を科学的に解剖する手法について書かれている本です。
物流ではソフトウェアを使って最適化を進めることが多いのですが、そうしたシミュレーションソフトの裏側でどのようなアルゴリズムや数理計算が働いているのかについても書かれています。
そういう意味でデータを使ってオペレーションリサーチしたい人に向いている本かなと感じます。
『物流コストの算定・管理のすべて』
物流はマテハンなど発生する投資も大きいので、どのようなコストが発生するのか頭に入れておくべき。
どちらかというと営業や物流の設計向きの本です。
▶物流のトレンドを抑えたい人向け
物流のトレンドを学びたい人向けの書籍です。
『ロジスティクス4.0』
トレンド本としては若干古めですが、Kiva、Flexport、Soucoといった物流テックを推進する企業の事例がまとまっている本です。
こうした新しい物流プレーヤーの存在がどのように物流業界を変えていくのかイメージしやすくなると思います。
『WMSで実現する中小製造業の物流DX』
物流をデジタル化する物流DXは、昨今のトレンドですよね。
物流DXの起点にWMSを活用するのがなぜいいのか、中小企業向けに書かれている本です。
中小企業の社長・マネジメント層向けの投資決定を下す担当者向けの本。
以上です。
気になったものがあれば是非読んでみて下さい。