物流担当者向けおすすめ物流本7冊

新型コロナウイルスによって、自社サプライチェーン網の見直しを進めている企業も多いのではないでしょうか。
下記は米国に本社を置くサプライチェーンの非営利組織のInstitude for Supply Chain Managementが発表した内容ですが、全体の75%もの企業が輸送規制によってサプライチェーンが途絶えたと回答しているようです。
日本では特に人手不足、高齢化、ECの成長といった背景もあり、既存の物流体制そのものを抜本的に見直す必要性は高まっていて、こうしたことから未経験から物流業界に転身する人や、物流関連のプロジェクトに関わる人々も増えて来ているのではないでしょうか。
何事も初めてのことはまずは座学によるインプットから。最新の物流事情が学べる物流本を外資系の物流企業で実際に勤務する筆者が幾つかまとめました。
1.ロジスティクス4.0
ロジスティックスの最先端に精通する、物流コンサルタントの著者が書いている物流のトレンド本です。
Amazonが買収して自社倉庫に導入している自動搬送ロボット、倉庫マッチングサービスのsouco、ソフトバンクが巨額出資したことでも有名なFlexportの事例等、今物流業界がITテクノロジーによってどのように変わっているのか、そして今後どのように変わっていこうとしているのかを書いている本です。
IT業界は変化が激しく、この本が書かれた2019年から更に時代は変わってしまっているのでトレンド本としては古いかもしれないですが、最低限の知識として知っておいた方がいいことが書かれています。
2.すごい物流戦略
ZARA、DHL、アマゾン、ニトリ、アイリスオーヤマの物流戦略のケース本です。
各社がどのような物流戦略を考案し実践したのか、様々なケースが書かれているので、自社の物流戦略を描くための着想を得るために活用できる本です。
アマゾン、ニトリ、ZARA…… すごい物流戦略 (PHPビジネス新書)
3.なぜアマゾンは「今日中」にモノが届くのか
アマゾン立上げメンバーとして、実際にサプライチェーン部門のマネージャーを務めた著者がアマゾンの物流の実態について書いている本です。
4.物流アルゴで世が変わる
物流最適化について書かれている本です。
物流最適化を進める上で具体的にどのような問題が起こるのか(配車問題、ロケーション問題等)が分かりやすく、細かく整理されています。
実際問題ソフトウェアを使って進めることが多いですが、その裏側のアルゴリズムや数理計算の考え方をこの本は示しています。
物流アルゴで世が変わる (オペレーションズ・マネジメント選書)
5.需要予測の基本
物流関連の書籍は色々ありますが、最新のIT活用事例やトレンド本が多い中で、この本は需要予測に特化している点でユニークです。
AIの台頭によって需要予測が注目されつつあり、求人情報でも需要予測の求人はここ最近増えているのですが、実際どんな業務をするのかはイメージが付かないもの。
需要予測ってこんなこともやらなきゃいけないのか…とリアルな仕事が伝わってきますよ。
この1冊ですべてわかる 需要予測の基本 SCMとマーケティングを劇的に変える
6.Supply Chain Management for Dummies
私が上司に勧められて読んだ最初の物流本です。
サプライチェーン関連の全てが網羅されているので、未経験者がサプライチェーン知識をキャッチアップする上では確かに良書です。
Supply Chain Management For Dummies (For Dummies (Business & Personal Finance))
7.すぐわかる物流不動産
前半は物流の基本的な知識(クロスドックやDCの機能等)について体系的に整理されています。この業界の経験者なら正直知っている内容も多いかと思いますが、復習として、また部下に用語について説明する上で役に立ちそうです。
後半部分は物流不動産をビジネスとして立ち上げたイーソーコ会長の大谷さんの考えが書かれています。何故物流不動産を今学ぶべきなのか、具体的にはどのようなことを学べばいいのか、管理者はどのような教育をすればいいのか、様々な視点から書かれています。
すぐわかる物流不動産: 倉庫から物流センターへと進化したサプライチェーンの司令塔
以上です。
物流の基本的なことから、トレンド系、実際の企業のケース、物流不動産や需要予測といった専門書まで幅広くありますね。
「時は金なり」。知らない!は機会損失です。
気になったものがあれば是非読んでみて下さい。