Category: 時事/News

Project44が日本市場で拡大している件

「Project44」という会社をご存知でしょうか? サプライチェーンや物流DXに携っている人なら、聞いたことがある方もいるかもいれません。 3年ぐらい前から所々で名前を聞くなぁと思っていたのですが、所詮は海外のサービス。 海の向こうの製品なので、日本マーケットでの本格普及はまだまだ先だろうなぁぐらいに思っていたところで、ヤマト運輸のCVCが2022年に投資実行したという情報を聞いてから、グッと興味が強まりました。 そのプレスリリースがこちらですね。 →https://www.yamato-hd.co.jp/news/2021/newsreleasa_20220119_1.html このプロジェクト44というのは、簡単に言うと、物流やサプライチェーンをEnd-to-Endで可視化するソフトウェアです。 どこで調達して、どこにどのような経路でものが運ばれたのかを可視化するというイメージです。 何で今可視化ツールなのかと言うと、 今サプライチェーン業界は、物流コストが上昇したり、欧州を中心に調達元を体外的に公表するCSR活動が求められたり、可視化がキーワードになってきている社会的な背景があるんですね。 コスト削減するためにはまず現状発生している無駄を明らかにしないといけないので、そういう意味でも可視化は重要だったり。 大手の物流会社が顧客向けのサービスとして提供するケースなんかも増えてきています。 →DHLサプライチェーン、SC可視化で新施設 https://www.jmd.co.jp/article.php?no=270755 そんな矢先、先日自動車メーカーの日産がプロジェクト44を採用したとの発表が出てました。 https://www.asahi.com/and/pressrelease/423728424/ プロジェクト44は、ついこの前、デンソー社が採用発表したばかり。 両方とも大手企業ですが、このサプライチェーンの可視化・最適化の動きは、まだまだ他の製造業にも波及していきそうですねー。 以上、ちょっと気になるデジタルなニュースの共有でした!

o9とProject44が協業を発表

サプライチェーン界隈にまた面白い発表が舞い込んできましたね。 AIを活用したサプライチェーンプラットフォームを提供するo9社と、 主に輸配送のビジビリティを提供するProject44社が協業を加速させると発表しました。 *原文はこちら 原文読んでみると、 o9社のコントロールタワーに、Project44が保有するデータを連携させることが可能になるとのこと。 連携させることで、ユーザーはより多くのデータを活用して、サプライチェーン上のリスクを判断したり、対策が講じれるとのこと。 具体的なことは書いてないのでわかりませんが、先日o9はMicrosoftとの協業を発表したばかり。 戦略的には、Microsoftのエコシステムとも連携したわけで、サプライチェーンプラットフォームとしては一大勢力が出来上がりつつありますよね。 ここで厳しくなりそうなのがBlue Yonder、Kinaxisあたりでしょうか。 ただBlue YonderはPanasonicを買収して、ソフト+ハード面からソリューションが提供しでふし、各社で戦略の違いが明らかになってきましたね。

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

物流といえど、その仕事内容や職種は多岐に渡りますので、それぞれが置かれた状況や役割によって求められるスキルや知識も異なります。 物流施設で働きたいのか、貨物の輸送に携わりたいのか、貿易実務に携わりたいのか、倉庫の設計がしたいのか等です。   また資格取得には労力も伴いますので、どうせ勉強するなら実務につながる資格を取りたいものです。 そこで、実際に物流業界で働く筆者が、実務を通じて役に立つと感じた物流/ロジスティクス関連の資格をピックアップしてみました。 1.通関士 通関士は物品の輸出・輸入時に必要な通関書類の作成や手続きを行う人のことです。 日本では通関業務は許可制となっていますので、営業所毎で通関士を設置する義務があったり、通関士が押印記名しなければならない書類が決められていたりと、通関士は通関事業者にとって無くてはならない存在です。 難関資格で合格へのハードルは高く、簡単には取得できない資格ですが、その分この道のプロとして安定的に活躍していくことも可能です。 ここ最近では「将来無くなる職業」に通関士が入っていたりと、通関士に対して悲観的な意見も見受けられますが、全くそんなことはなく、むしろ近年、FTAなどの貿易協定や関税の引き上げ施策等で貿易は益々複雑化していて、関税に関する知識の需要は上がっていくと見るべきです。 今後はAmazonやEBayといった国境を越えたEC取引(越境EC)が増加することを考えても、将来性も見込める資格だと考えます。 ●試験頻度:年1回 ●合格率:10~15% ●難易度:高 ●想定される役職:関税コンサルタント、シッピングコーディネーター等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで通関士の詳細を確認      2.運行管理者試験(貨物) 運行管理者試験は、貨物自動車の安全確保を目的とした国土交通大臣指定の実施機関が実施する検定制度です。 トラックドライバーの運転時間や休憩時間の管理、点呼の実施や運転者の疲労状況の確認、運行日報の保管といった運輸事業全体のマネジメントを担う仕事です。 こちらも必置資格に分類されていて、営業所毎で抱えるドライバーの人数に応じて、資格保有者を置くことが義務付けられています。 そうした背景もあって、資格保有者には資格手当が支給される場合もありますし、そもそも求人要件として資格保有者必須としている企業も多く、資格取得がキャリアアップに直結しやすいです。 合格率も30%台で、且つ試験は年2回のみですので、簡単に取れる資格ではないですがその分資格を保有する価値は相対的に高くなります。 ●試験頻度:年2回 ●合格率:30%~40% ●難易度:中 ●想定される役職:倉庫オペレーションマネージャー等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで詳細を確認      3.フォークリフト運転技能者 フォークリフト運転技能者は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な資格です。 倉庫内でフォークリフトを運転し大型の荷物を運搬したり、トラックに積み込むことが仕事内容となります。 企業規模や業界に縛られず、倉庫施設であればどこでも活用されますし、誰にでも操縦出来るわけではないので、実オペレーションを回す上でのキーマンとなれます。 資格手当が出るので待遇も上がりますし、周囲からも必要とされるスキルでもあるのでやりがいを感じやすいですし、現場志向のひとであればおすすめの資格です。 一方合格率は90%越と、基本的には講習に参加すれば誰でも取得できてしまうような資格なので、ライバルも多くなります。 ●試験頻度:月1回程度(初学者講習の場合) ●合格率:90% ●難易度:易 ●想定される役職:物流倉庫担当者/マネージャー、出荷場エリアマネージャー ●教育給付対象:×     4.簿記検定 簿記は企業の様々な経営活動を帳簿に記録し、財務諸表等の報告書をまとめていくことです。 業界問わず様々な業界で活かせる資格なので、社会人に人気の高い資格の1つでもあります。 簿記というと、会計・経理職に求められるスキルだと思われがちですが、簿記を理解することで、経理事務に必要な会計知識だけでなく、企業の経営管理や財務分析としても活用可能な資格です。 物流は多大な設備投資や費用が発生するので、いつの時代も企業経営者の悩みの種となります。 製品の小ロット化が進み、コスト全体に占める物流費の割合が上がっていく中で、物流コストの分析・最適化人材へのニーズは高く、物流関係者にとっても重要なスキルです。 簿記検定は難易度順に簿記3級、2級、1級に分かれています。初学者はまずは3級や、余裕があれば2級とのダブル受験もおすすめです。 ●試験頻度:年2回~3回 ●合格率:30%~40%程度 […]

ドイツ鉄道、物流部門売却の方針

ドイツ鉄道、物流部門売却の方針

独ドイツ鉄道は、自社傘下の物流部門DB Shenker(シェンカー)社を売却の方向性で動いていることを発表したみたいです。 この話題は去年から目にしてましたが、当時は噂レベルの情報しか出てなくてスルーでしたが、今回はドイツ鉄道側がコメントを出しています。   ロイター通信社の情報ですが、売却は来年のQ3~A4辺りになる見込みとのこと。 売却先候補としては、ドイツ物流会社のDHLや、PB(プライベートバンク)とのことで、まだ確定はしていない模様。 ただ今回の会社側のコメントで、ドイツ鉄道者が売却の意思をより強く固めたというところは分かってきています。   ちなみにShenkerは世界最大規模の物流会社です。 下記記事にて世界の物流企業のランキングをまとめてみましたが、FedexやMaerskに次いて大きな会社です。 世界の物流・3PL企業の世界ランキング 13社の調査結果   仮にDHLとの合併が実現した場合、業界内では頭1つ抜けて独占状態となり、業界のパワーバランスを大きく崩していきそうですね。 それだけ大きな案件ですので、今後引き続き情報を追っていきたいと思います。

Thoma BravoのCoupa買収をサクッと考察してみる

Thoma BravoのCoupa買収をサクッと考察してみる

なんと、アメリカのBSM(ビジネス・スペンド・マネジメント)ソフトを提供するCoupa社が、Thoma Bravo社に買収されるとのニュースです。 その買収額は、$8Billion。1ドル130円で計算すると、約1兆円となります。   ※ソースはこちら     財務面を考察 ということで、まずはCoupa社の直近の売上高・利益などの財務面を見てみましょう。   ここ5年間を見ると、売上高は$187M→$725Mまで成長してますが、一方利益は赤字拡大中なんですね。 成長フェーズのSaas系企業っぽいですが、先行投資して、後から回収って感じですかね。   売上の規模感としては、$725Millionですので、$1=130円とすると950億円程度ですね。 ですので、下記のようなSAAS企業の直近の売上高と比較すると、 ・Adobe:$15,785M ・Salesforce:$26,492 まだまだ新興企業ではありますね。   戦略面で気になること このBSMやサプライチェーン領域は、ここ数年買収案件が多いですね。 この買収を聞いた時に、パッと頭の中に浮かんだのが、下記のPanasonic社の買収案件。 アメリカのSCM会社のBlue Yonder社をUSD8.5Billionで買っています。 今回のCoupaのバリュエーションとほぼ同額で、売上高も約1,300億円。 正直Coupaのバリュエーションはちょっと高いなと感じたのですが、売上高1000億円程度の会社だとこの規模の金額が付く事例もあるみたいですね。   またもう1つ頭によぎったのが、Thoma Bravo社のAnaplan社の買収です。 これは2022年6月に買収完了していますが、AnaplanとCoupaは若干事業プロセスが連携してきそうな部分があるのですね。   というのも、Coupaが提供するサービスはBSMで、企業の支出管理をするのが中心。 会社の経費精算をしたり、サプライヤーへの支払いプロセスや支出管理をするといった感じです。   一方Anaplan社が提供するのは、 むしろそうして蓄積されたデータを使ったビジネスモデリング(財務、サプライチェーンなど)ツールなのです。   ですので、Anaplanとしては、最適化エンジンを回したり、モデリングを回したりするためにデータが必要で、 そのデータのソースとなりそうなのがCoupaのプラットフォームなのかなと。 だからこの両製品をうまく連携させられれば(どうやるのかは知らん)、支払い管理から最適化までの一貫したツールを提供できるわけですな。 そんなことを買収側が意図しているかは知らんです。 しかもただの妄想程度の話なので、なんだかうまく伝えらえない。。。   というわけで、もちろんこの買収の意図は内部の人間にしかわかりませんが、 タイミングを見てもそうした意図を感じましたので共有してみました。   いずれにせよ、買収するということは、企業に価値があるから買収するわけで(切り売りするとかそういう感じではないと思う)、 そういう意味ではこの企業の将来が楽しみです。 引き続き情報追っていきたいと思います。

パレット保管の3つのタイプ それぞれのメリットとデメリット

一般的にパレットの保管タイプには棚の形態により、3つに分類されます。 今回はそれらの特徴をメリットとデメリットに分けて考えていきたいと思います。 各形態のさらに詳しい保管方法については書籍を参考にしてみて下さい。   パレットスタッキング パレットスタッキングはパレットの上の他のパレットを積み上げる方法です。 平置きとネステナを使う2つの方法があることが特徴です。 大規模な設備を必要としないため、棚を導入しやすく、レイアウトの変更を比較的柔軟に行えることがメリットです。 一方、ハニーコーミングという保管能力のスペースロスを生み出す可能性があり、保管効率を下げてしまう可能性があります。   固定棚 固定棚によるパレット保管は、鉄製の構造物等の棚を使ってパレットを保管する方法です。 パレットスタッキングと比較して、1つのパレットのピッキングが終わると、次のパレットをすぐに置くことが可能です。そのためパレットへのアクセスが容易で、ハニーコーミングが起こらない利点があります。 一方、通路のためのスペースが大きく使われるので、保管スペースは他の手法よりも必要です。   可動棚 保管棚を動かしたり、ラックの中でパレットを移動させられる保管形態です。 その大きな利点は、通路スペースの削減です。例えば可動棚の種類の1つである移動ラックは、資料室にある書架のように、必要な時だけ棚を動かして通路を作ります。 一方取り出すための生産性は、他の手法に比べて低いするという欠点があります。   どの形態で保管するかは製品の特徴や、価値、ピッキング・補充頻度などによって適切な手法を選ぶべきです。 より詳しく知りたい方は、書籍物流担当者のための 世界水準のウェアハウジング理論とマテハンのすべて (DIAMOND流通選書)を参考にしてみてください。

ドロップシッピングとは メリットやデメリット

ドロップシッピングという単語は、物流関係者なら一度は聞いたことがあるかもしれません。 モノを運ぶ手段の一つですので、参考にしてみて下さい。   ドロップシッピングとは ずばり、ドロップシッピングとは「直送」のことです。 倉庫を完全にバイパスし、直接顧客に向けて届けられる出荷方式のことです。   ドロップシッピングのメリット 倉庫を経由しないため、荷下ろし、仮置き・格納、ピッキング、梱包、検品、トラックへの積み込みといった作業が無くなります。 そのためそれらの工程で利用される設備や人的コストが削減される点が大きなメリットです。 加えて倉庫をそもそも使わないので、倉庫で起こり得る事故などの削減効果もあります。   ドロップシッピングのデメリット ドロップシッピングは、サプライヤーのDCや工場で作った製品を直送します。 サプライヤーのDCや工場で作った製品を直送するので、配送距離が長くなり、輸送リードタイムやコストが高くなってしまうことがあります。     以上です。 より詳しく知りたい方は物流担当者のための 世界水準のウェアハウジング理論とマテハンのすべて (DIAMOND流通選書)を参考にしてみて下さい。

在庫を持つことのメリット3つ 在庫は悪ではない!

物流、サプライチェーン関係者の方なら、在庫削減策や在庫最適化について考えたことがある人も多いのではないでしょうか。 ただ在庫の削減について考える前に、一歩たち下がって、そもそも何故在庫を持つ必要があるのか考えてみることも大事です。 本記事では在庫を持つ理由を3つ紹介したいと思います。   在庫を持つメリット 下記が在庫を持つメリットです。   1.購買力、コストメリット モノを仕入れる場合、注文するロットの数が多ければ多い程、価格は安くなります。 大量注文は、仕入れ先にとっても売上増になり、双方にとってメリットを見出せます。 一方大量に入れる場合、仕入れた製品を保管しておかなければならず、在庫を持つ必要があります。   2.物量の波動を埋めて機会損失を防ぐ 誰にも将来は予測できないので、需要予測が難しく、どれだけの量が売れるかは不確定です。 大量に注文が入った場合にも在庫切れを起こさず、納入が出来るよう在庫をしておく必要があります。   3.価値の保存 例えばワインなど、世の中には時間の経過と共に価値が向上する製品もあります。 そうした製品=価値を保存・保管しておくための手段として在庫を持つケースもあります。   以上、いかがでしたでしょうか。 在庫を持つ理由は他にも色々あると思うので一度考えてみて下さい。

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