物流業界でシェアリングサービスを使うメリットとデメリット
一般社団法人シェアリング・エコノミー協会が分類する5つのシェアリングエコノミーの領域の中から、物流業界で対象となる4つの領域を取り上げてみました。
それぞれのメリットとデメリットについて考えてみます。
1.スペースのシェアリング(倉庫シェアリング)
物流業界におけるスペースのシェアリングの代表例は、「倉庫」です。
●メリット
・倉庫の契約は従来最低でも数か月の期間が必要でした。一方シャアリングサービスを使えば、必要な広さと作業内容を、短期間だけ借りられる。
・従量課金制により初期費用や固定費用を最小限に抑えることができる。
●デメリット
単価(ピースや期間あたりの費用)換算すると割高になるケースが多い。
2.移動手段(配送マッチング)
物流業界における移動手段の代表例は、「トラック」です。
ここではトラックをシェアリングする配送マッチングサービスを使うメリット・デメリットについて考えてみます。
●メリット
・回送などの空車を削減できるのでCO2削減効果が見込めて環境にやさしい
・小ロットの場合、必要最小限の料金で運送できるのでコスト削減効果が見込める
●デメリット
・毎回異なるドライバーのケースが多く、オペレーションが慣れていない
・請求書対応等で標準サービスしか受けられないケースが多く、社内の運用フローに乗せられない
3.スキル(人)
物流業界において、人をシェアリングするメリット・デメリットです。
●メリット
・雇用、採用のコストを削減できる
・そもそも業界として労働力不足なので、短期間で人手を手に入れられる
●デメリット
・作業になれた自社社員ではないので、品質面でバラつきが出てしまう可能性がある
・自社社員ではないので、融通が利きずらい(自社社員であれば突発的な残業等をお願いできるが、他社だと難しいケースがある)
4.モノ
最後にモノのシェアリングサービスについてです。
物流業界におけるモノのシェアリングの代表例は、ロボットやシステムのシェアリングです。
●メリット
・ロボットやシステムを自社調達すると高いため、シェアリングすることで安く使える
・短期間の利用が可能なので、実際に購入する前に試験的に利用できる
・同じシステムを他者と使うことになるので、データ・情報連携を標準化できる
●デメリット
・社外のリソースを使うので、社内にノウハウ、スキルが蓄積しずらい
なお、物流業界におけるシェアリングサービスの活用に関しては、
セイノー情報サービスCEO鳥居さん監修書籍『協調時代のサプライチェーン』のP92を参考にしていますので、興味があれば一読してみて下さい。