4/28(現地時間)、北米最大の物流企業UPS社が2020年のQ1決算を発表しました。 2020年1月~3月期のちょうどコロナの感染爆発と重なる期間の決算なので、どこまでコロナが物流会社の業績に影響を与えたのか注目していましたが、結果は前年比増に着地しています。 ※原文は「こちら」にあります。 ポイント1:「売上」は前年比増 Q1(第一四半期)の決算は、$18,035 Millionで、前年同期間が$17,160 MIllionでしたので、約5%の売上増という結果になりました。 UPSは大きく「国内物流」、「国際物流」、「サプライチェーン」の3つのセグメントに分かれていて、その70%近くが米国内物流からの売上となりますが、その大きなパイを占める国内物流が前年同期比9.7%増と好調で、全体を牽引した形です。 アメリカではサンフランシスコが3月17日から全米に先行してロックダウンを実行し、3月後半からモノの流れが急激に減少したわけですが、Q1の業績には大きな影響を与えていないということが分かります。 ポイント2:国際物流では、3月以降中国が堅調 同社の「International(国際物流)」部門は、全体での売上高は$3,383Millionと対前年同期比で1.8%減少でした。 同社のリリースにもありますが、「中国で1月から2月にかけて物量が減少」したが、「3月には物量が回復した」ことで、3か月全体では大きく悪化はしていません。 製品別では、「ハイテク」・「ヘルスケア」・「通販」が好調だったと発表しています。 ポイント3:コスト増により利益圧迫 2020年Q1の純利益は、$1,000 Million(調整後)と、前年同期比(前年は$1,204 Million)で約17%減少しました。 売上は増加していますので、コストがそれ以上に悪化しわけですが、その主因として「Material Headwind(材料費)」と「higher self-insurance accruals(自己保険)」の増加を挙げています。 コロナによって物流の規制が厳しくなったり、コロナ感染予防用の備品を買い足す必要があり、前年以上にコストが膨れ上がり減益着地となった形です。
Month: April 2020
米大手「FedEx」と「BigCommerce」が中小企業向け支援サービスの提供で合意
概要 今回のニュースリリースは、4/28にFedEx社から発表されたものです。 コロナによるロックダウン等の影響で、米国でも多くの企業で実店舗での販路が遮断されている中で、オンライン販売で製品を販売する試みが増えているようです。 今回の発表は、特に中小企業(SMB:Small Medium Business)のBigCommerceを通じた通信販売支援を行うことを目的として、サービス利用にかかる費用を4か月間無料にするという内容です。 また、BigCommerceを利用する顧客はFedEx社が提供している配送サービスを割引で使えると方針を決定しました。 ※原文は「こちら」です。 ポイント1:そもそも「BigCommerce」って何? BigCommerceはアメリカはテキサスの会社で2009年に設立された会社です。 主にメーカー向けにネット販売が可能なオンラインプラットフォームを提供している会社です。 通常企業が通販を始める時は、Webサイトを立ち上げる必要があるのですが、BigCommerceはその手間を省き、登録するだけで手軽に通販が始められるサービスです。 ポイント2:競合「Amazon」はどう出るのか 実は今やアメリカでは、「Amazon」の競合は「FedEx」や「UPS」といった配送業者になり始めています。 というのも「Amazon」は実は自社で配送網を持っていて、製品の購入から配送までを全て自社で完結させようと動いています。この動きが進むと、運送企業や物流企業の物量は減ってしまうので、彼らにとっては好ましくないことなんですね。 こうした動きもあって、AmazonとFedExは競合関係にありますし、ニュースでも「AmazonがFedExサービスの利用を停止するよう指示」といった話題が上がる程です。 今回FedExとBigCommerceの、カンタンに言うとサービスの「値引き」によって、BigCommerceのユーザーは増えていくことが想像されますし、そうした時のAmazonの動きは注目に値します。
物流大手「DHL」と「Avibods」が協業拡大を発表 完全自動清掃ロボット「Neo」
4/27に世界最大の物流企業の「DHL」と「Avibots」が協業を発表しました。 ※原文は「こちら」です。 概要 今回のリリース内容としては、カナダに本社を持つロボットの開発製造企業である「Avibots社」と、ドイツに本社を置く世界最大の物流企業「DHL」の協業の発表です。 Avubotsが開発する自動清掃ロボットを、DHLが世界中に保有する倉庫に今後導入していくことで両社が合意したという内容です。 ポイント1:「協業自体」は2019年に発表済 今回のリリース内容の趣旨としては、原文にも書いてある通り、既にパートナーシップを結んでいたものを「今後更に拡大」させていくことです。 実は両社は2019年に既にパートナー契約を結んでいて、その際は「DHL North America」と「Avibots」間でのパートナーシップでしたが、今回のリリース内容を見るに今後はDHLの北米以外の国や地域にもロボットの導入を推進していくという内容のものです。 恐らくDHL側としては2019年に結んだパートナーシップ契約以降、実際に物流現場で使ってみた結果、Avibotsに対して優位性を感じた、今回の拡大発表をしたものと考えられます。Avibots側としては今後の市場開拓が進むポジティブなニュースだと言えそうです。 ポイント2:そもそも「Avibots」とは? Avibotsは、2014年に設立されたカナダのロボットメーカーです。 ロボットの中でも「床の清掃(Floor Cleaning)」に特化したロボットの開発企業であり、今回発表にあった物流倉庫以外にも、空港、工場、デパートといった商業施設等に製品を卸しています。 今回の発表記事に、DHLがAvibotsをパートナーとして選定した理由に、「他のロボット開発企業ができない、AIを活用した完全自動での清掃」を実現した企業であるとある通り、ロボット開発企業の中では最も先端を走る企業であることが伺えます。 ポイント3:日本では「マクニカ」が代理店販売 こうしてDHLという世界的な企業での導入推進が決まったというニュースは、Avibotsとしては「お墨付き」を得たわけなので、今後他の企業も追従して導入を考える会社が増えていく可能性が高いです。 調べてみると、Avibotsは日本には支社は持っていないようです。国内では「マクニカ」が代理店販売を行っているようです。 マクニカは実は2019年3月の発表で、Avibotsが提供する「Neo」を三菱地所に提供し運営を始めたと発表しています。 今後も同製品が日本のマーケットで普及していく可能性は高いと考えられます。
Home Depot(ホーム・デポ)の物流評価 在庫回転率と在庫成長率
Home Depot(ホーム・デポ)は、住宅や建設向け資材を中心としたアメリカの小売企業です。 売上高の91%を北米が占め、アメリカ(1984店舗)、メキシコ(125店舗)、カナダ(182店舗)の店舗構成です。 倉庫の面積としては60(百万) 平方フットを保有します。 本記事では直近近発表されたアニュアルレポートに基づいて、在庫回転率と在庫CAGR(4年間の年平均成長率)を試算し、物流面でのパフォーマンスを評価しました。 在庫回転率は自社の物流オペレーションの効率性を、在庫CAGRは企業の物流コントロール力を評価する指標として活用いただければと思います。 在庫回転率 FY19 売上原価 FY19 平均在庫 FY19 在庫回転率 $72,653 M $14,228 M 5.11 FY19結果:5.11 計算式:売上原価 / 平均在庫 (期首+期末÷2) 在庫成長率(4年CAGR) 項目 FY16 FY17 FY18 FY19 売上高 $94,595 M $100,904 M $108,203 M $110,225 M 在庫 $12,549 M $12,748 M $13,925 M $14,531 M FY19結果:5.01% ※FY19売上高CAGR:5.23% 在庫CAGRが売上高CAGRよりも低い数値の場合、売上高の成長に対して在庫の膨張を低く抑えられていう見方ができます。ただ、あまりにもその数値が離れすぎている場合は、逆に在庫切れを起こして売上機会の損失を発生している可能性があり得ます。 逆に在庫CAGRが売上高CAGRを上回っている場合、売上が想定より伸びていないか、在庫を抱え込みすぎている可能性(一概には言えないですが)が考えれます。 総合評価 総合評価 […]
Yum! Brands(ヤム・ブランズ)の物流評価 在庫回転率と在庫成長率
Yum! Brandsはアメリカのケンタッキー州のチェーンレストラン企業です。傘下に、KFC、Pizza Hut、Taco Bellを持ちます。売上の98%がフランチャイズ収入で、2019年末時点で全世界140の国と地域に展開するグローバルファストフード企業です。 本記事では直近近発表されたアニュアルレポートに基づいて、在庫回転率と在庫CAGR(4年間の年平均成長率)を試算し、物流面でのパフォーマンスを評価しました。在庫回転率は自社の物流オペレーションの効率性を、在庫CAGRは企業の物流コントロール力を評価する指標として活用いただければと思います。 在庫回転率 FY19 売上原価 FY19 平均在庫 FY19 在庫回転率 $1,235 M ー M ー FY19:ー 計算式:売上原価 / 平均在庫 (期首+期末÷2) ※2018年及び2019年の在庫は報告がありませんでした。売上のほとんどをフランチャイズ形態で稼ぎますし、ファストフードという企業の業界の特徴条、一時点における在庫はほぼ0に近いと考えられます。2016年及び2017年の在庫は下表をご確認下さい。 在庫成長率(4年CAGR) 項目 FY16 FY17 FY18 FY19 売上高 $6,356 M $5,878 M $5,688 M $5,597 M 在庫 $37 M $13 M ー M ー M FY19:ー ※FY19売上高CAGR:-4.15% 在庫CAGRが売上高CAGRよりも低い数値の場合、売上高の成長に対して在庫の膨張を低く抑えられていう見方ができます。ただ、あまりにもその数値が離れすぎている場合は、逆に在庫切れを起こして売上機会の損失を発生している可能性があり得ます。 逆に在庫CAGRが売上高CAGRを上回っている場合、売上が想定より伸びていないか、在庫を抱え込みすぎている可能性(一概には言えないですが)が考えれます。 総合評価 総合評価 0/10 […]
Starbucks(スターバックス)の物流評価 在庫回転率と在庫成長率
Starbucks(スターバックス)は、アメリカのワシントン州に本社を持つチェーンレストランを展開する企業です。製品はコーヒーを中心とした飲料が中心で売上全体の74%を占め、その他クッキーやワッフル等の軽食、そしてタンブラー等の食器類で構成されます。全世界の店舗数は30,000店舗を超え(ライセンス形態を含む)、日本には2019年末時点で1,379店舗展開します。日本に上陸したのは1996年なので、これまでの約24年間で休息に店舗数を拡大していることが分かります。 本記事では直近近発表されたアニュアルレポートに基づいて、在庫回転率と在庫CAGR(4年間の年平均成長率)を試算し、物流面でのパフォーマンスを評価しました。在庫回転率は自社の物流オペレーションの効率性を、在庫CAGRは企業の物流コントロール力を評価する指標として活用いただければと思います。 在庫回転率 FY19 売上原価 FY19 平均在庫 FY19 在庫回転率 $8,527 M $3,464 M 3.01 FY19:2.46 計算式:売上原価 / 平均在庫 (期首+期末÷2) 在庫成長率(4年CAGR) 項目 FY16 FY17 FY18 FY19 売上高 $21,316 M $22,387 M $24,720 M $26,508 M 在庫 $1,378 M $1,364 M $1,400 M $5,527 M FY19:3.53% ※FY19売上高CAGR:7.54% 在庫CAGRが売上高CAGRよりも低い数値の場合、売上高の成長に対して在庫の膨張を低く抑えられていう見方ができます。ただ、あまりにもその数値が離れすぎている場合は、逆に在庫切れを起こして売上機会の損失を発生している可能性があり得ます。 逆に在庫CAGRが売上高CAGRを上回っている場合、売上が想定より伸びていないか、在庫を抱え込みすぎている可能性(一概には言えないですが)が考えれます。 総合評価 総合評価 0/10 ※Coming Soon 同業他社もチェック!
Kroger(クローガー)の物流評価 在庫回転率と在庫成長率
roger(クローガー)はアメリカの小売企業です。北米でのスーパーやガソリンスタンドを展開し、北米全土では2,757の店舗を保有しています。北米のみで13兆円の売上高を持つ大手企業の一つです。 本記事では直近近発表されたアニュアルレポートに基づいて、在庫回転率と在庫CAGR(4年間の年平均成長率)を試算し、物流面でのパフォーマンスを評価しました。 在庫回転率は自社の物流オペレーションの効率性を、在庫CAGRは企業の物流コントロール力を評価する指標として活用いただければと思います。 在庫回転率 FY19 売上原価 FY19 平均在庫 FY19 在庫回転率 $95,294 M $6,965 M 13.68 FY19:13.68 計算式:売上原価 / 平均在庫 (期首+期末÷2) 在庫成長率(4年CAGR) 項目 FY16 FY17 FY18 FY19 売上高 $115,337 M $122,662 M $121,162 M $122,286 M 在庫 $6,561 M $6,533 M $6,846 M $7,084 M FY19:2.59% ※FY19売上高CAGR:1.97% 在庫CAGRが売上高CAGRよりも低い数値の場合、売上高の成長に対して在庫の膨張を低く抑えられていう見方ができます。ただ、あまりにもその数値が離れすぎている場合は、逆に在庫切れを起こして売上機会の損失を発生している可能性があり得ます。 逆に在庫CAGRが売上高CAGRを上回っている場合、売上が想定より伸びていないか、在庫を抱え込みすぎている可能性(一概には言えないですが)が考えれます。 総合評価 総合評価 0/10 ※Coming Soon 同業他社もチェック!
Costco(コストコ)の物流評価 在庫回転率と在庫成長率
Costco(コストコ)はアメリカの総合小売企業です。会員制倉庫型のスーパーという独特な販売手法で展開するスーパーなのが特徴です。アメリカで創業後世界展開を進め、日本市場ヘは1998年に進出しています。 本記事では直近近発表されたアニュアルレポートに基づいて、在庫回転率と在庫CAGR(4年間の年平均成長率)を試算し、物流面でのパフォーマンスを評価しました。在庫回転率は自社の物流オペレーションの効率性を、在庫CAGRは企業の物流コントロール力を評価する指標として活用いただければと思います。 在庫回転率 FY19 売上原価 FY19 平均在庫 FY19 在庫回転率 $132,886 M $11,218 M 11.85 FY19:11.85 計算式:売上原価 / 平均在庫 (期首+期末÷2) 在庫成長率(4年CAGR) 項目 FY16 FY17 FY18 FY19 売上高 $118,719 M $129,025 M $141,576 M $152,703 M 在庫 $8,969 M $9,834 M $11,040 M $11,395 M FY19:8.31% ※FY19売上高CAGR:8.75% 在庫CAGRが売上高CAGRよりも低い数値の場合、売上高の成長に対して在庫の膨張を低く抑えられていう見方ができます。ただ、あまりにもその数値が離れすぎている場合は、逆に在庫切れを起こして売上機会の損失を発生している可能性があり得ます。 逆に在庫CAGRが売上高CAGRを上回っている場合、売上が想定より伸びていないか、在庫を抱え込みすぎている可能性(一概には言えないですが)が考えれます。 総合評価 総合評価 0/10 ※Coming Soon 同業他社もチェック!