Thoma BravoのCoupa買収をサクッと考察してみる

なんと、アメリカのBSM(ビジネス・スペンド・マネジメント)ソフトを提供するCoupa社が、Thoma Bravo社に買収されるとのニュースです。

その買収額は、$8Billion。1ドル130円で計算すると、約1兆円となります。

 

※ソースはこちら

 

 

財務面を考察

ということで、まずはCoupa社の直近の売上高・利益などの財務面を見てみましょう。

 

ここ5年間を見ると、売上高は$187M→$725Mまで成長してますが、一方利益は赤字拡大中なんですね。

成長フェーズのSaas系企業っぽいですが、先行投資して、後から回収って感じですかね。

 

売上の規模感としては、$725Millionですので、$1=130円とすると950億円程度ですね。

ですので、下記のようなSAAS企業の直近の売上高と比較すると、

・Adobe:$15,785M

・Salesforce:$26,492

まだまだ新興企業ではありますね。

 

戦略面で気になること

このBSMやサプライチェーン領域は、ここ数年買収案件が多いですね。

この買収を聞いた時に、パッと頭の中に浮かんだのが、下記のPanasonic社の買収案件。

アメリカのSCM会社のBlue Yonder社をUSD8.5Billionで買っています。

今回のCoupaのバリュエーションとほぼ同額で、売上高も約1,300億円。

正直Coupaのバリュエーションはちょっと高いなと感じたのですが、売上高1000億円程度の会社だとこの規模の金額が付く事例もあるみたいですね。

 

またもう1つ頭によぎったのが、Thoma Bravo社のAnaplan社の買収です。

これは2022年6月に買収完了していますが、AnaplanとCoupaは若干事業プロセスが連携してきそうな部分があるのですね。

 

というのも、Coupaが提供するサービスはBSMで、企業の支出管理をするのが中心。

会社の経費精算をしたり、サプライヤーへの支払いプロセスや支出管理をするといった感じです。

 

一方Anaplan社が提供するのは、

むしろそうして蓄積されたデータを使ったビジネスモデリング(財務、サプライチェーンなど)ツールなのです。

 

ですので、Anaplanとしては、最適化エンジンを回したり、モデリングを回したりするためにデータが必要で、

そのデータのソースとなりそうなのがCoupaのプラットフォームなのかなと。

だからこの両製品をうまく連携させられれば(どうやるのかは知らん)、支払い管理から最適化までの一貫したツールを提供できるわけですな。

そんなことを買収側が意図しているかは知らんです。

しかもただの妄想程度の話なので、なんだかうまく伝えらえない。。。

 

というわけで、もちろんこの買収の意図は内部の人間にしかわかりませんが、

タイミングを見てもそうした意図を感じましたので共有してみました。

 

いずれにせよ、買収するということは、企業に価値があるから買収するわけで(切り売りするとかそういう感じではないと思う)、

そういう意味ではこの企業の将来が楽しみです。

引き続き情報追っていきたいと思います。

 

 

 

 

ブログ管理人について

ブログ管理人について

元々物流会社で勤務してました。今は外コン勤務です。
SCMに携わってもうすぐ10年。自分の学びも含め、世界の物流・サプライチェーンに関する情報収集・発信しています。
よろしくお願いします。

Scroll to Top