IoTを衛星コンステレーションに接続するオーストラリアのMyriota社が、同国テレマティックス企業のFuture Fleet社との協業を発表しました。 従来のGPSではトラッキングが難しい地域におけるアセットマネジメントを補うことで、配送ルートの効率化に繋げることを目指している。 ※原文はこちら
Category: 輸送/Transportation
北米FreightWeb社、貨物トラック積載効率向上の取組みを紹介
国土交通省の発表資料によると、国内の貨物トラックの積載効率はここ数年低下傾向にあります。 貨物トラックの積載効率の課題は物流業界の中でも課題提起されることがしばしありますが、それは日本だけで起こっている課題ではなく北米でも似たような状況に直面しています。 トラック輸送ソリューションを提供する北米FreightWeb社は、こうしたトラックの積載効率の改善に向けてハードウェア/ソフトウェアを活用したソリューションを提供する企業です。 今回同社のインタビュー記事の中で「積載効率向上」に関する取組の紹介がありましたのでメモレベルですが簡単に紹介します。 原文は約20分程度の英語のインタビューですので興味があればオリジナルver.も聞いてみて下さい。 【インタビュー概要】 ◎積載効率の改善はこれまでも大きな課題として認識されてきた。ダブルデッキなど様々な取り組みを実施してきたが、安全性、費用面、法規制、オペレーションとの折り合い、パレットの違い等で調整が付かずなかなか進まなかった ◎現在検討中の施策としては、 FTLとLTLといった既存の輸送形態の区分を見直す。具体的にはそれらの折衷案となる「P-LTL(FTLとLTLの混載)」で輸送を考え、料金モデルも利用したスペース単位での課金に変更する 高さを柔軟に調整できるパレットを利用することでトラック内の空間を柔軟に活用する AIを搭載したソフトウェアを活用して積載シミュレーションを行い最適化する。これまでもソフトウェアの類は実践されてきたが、今の時代は多くのデータが社内外から得られるように変わってきている。分析結果もより精緻になってきている トラックの走行データの可視化ではなく、ラックやパレット単位といったより細かいレベルでの可視化を行い、更に他のデータ(TMS上の)と紐付ける。こうして可視化されたデータに基づいて実際のオペレーションを継続的に最適化する 【FreightWebのパレット】 ※原文はこちら Read More…
TMS(Transport Management System)の比較
物流従事者であれば、TMS(Transport Mangement System)という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。 TMSはカンタンに言うと、商品が物流センターを出荷した後、納品先までの輸配送を管理する情報システムツールのことです。具体的には運行管理、動態管理、配車計画等で構成され、出荷計画の段階から納品が完了するまでの輸配送の過程を計画したり記録できるツールです。 最近はGPSやデジタコと連携させることで、車両が運行した軌跡をトラックできるような仕組みも開発されています。 以下に主要企業の評価とレビューをまとめましたので、導入検討の材料に活用下さい。 ◆Garner社のMagic Quadrant 世界大手の調査機関Gartner社が発表した2019年のTMSのMagic Quadrantによると、オラクル、JDA、SAP、ManhattanのTMSがリーダーポジションを獲得しました。 ガートナー社によると、輸送業界全体でコストダウン、生産性の向上、サービス品質向上、可視化の必要性の向上、リソースの効率な利用が求められる中で、TMS市場は今後も拡大傾向にあるとの見方をしています。 ◆各社のTMSに対する評判 Gartner社が提供しているPeer Review(レビューサイト)の結果です。2020年1月時点の評価となります。 【Oracle】 総合ポイント:4.4 主なコメント:オラクル社のTMSは、輸送する貨物の管理を細かく追える点で高評価でした(The best part of this product is load management that provides effective & efficient route and all various costs to be incurred for the trip & round trip)。燃料、人件費、メンテナンス、その他コストをTMS上できっちりと管理できるようです。 一方、オラクル社は大きな仕様変更には対応ができないので、事前に綿密に計画を練る必要がある点は注意が必要とのことです(Although oracle allows customization but it’s percentage is very few so […]
Uber Freight 日本の物流業界への黒船来襲となるか
既に日本の運送業界では、荷主とドライバーをWebプラットフォーム上で直接繋げるシェアリングサービスは存在しています。 2016年頃あたりから「PickGo」や「ハコベル」といったベンチャー企業がサービスインし、直近では2019年6月に通信大手のDocomoが「ドコマップ」を始めました。 元々はフードデリバリーや配車といったBtoCを中心に始まったシェアリングサービスが、運輸業界でも徐々に広がりはじめ、そこに外資企業が参入し始めてきたという状況です。 Uber Freight、アメリカで始動 日本の運送市場の構造改革にいち早く目を付けたのが「Uber」です。 運営企業であるUberは、2020年初めの段階で時価総額6兆3500円、2018年売上高$11billion(11兆円)、対前年比プ+42%増、世界70か国にサービス展開するグローバルITメジャーです。 2017年、Uberはアメリカでトラックドライバーと荷主をマッチングするUber Freightを開始したことを発表しています。 海外進出を加速させるUber Freight 「Uber Freight」の公式採用サイトから求人募集を行っている地域を調べてみると、米国ではテキサス州、カリフォルニア州、イリノイ州で募集しています。 そしてUber Freightは実は欧州でも募集を行っていて、ポーランド、オランド、ドイツで募集をかけていることが分かります。 2017年にアメリカで始動したUber Freightですが、現在ではその展開国をヨーロッパとカナダに広げています。 またUberは2019年に「Uber Freight向けに全世界で200億円の投資を行い、2000人の採用を増やす」と発表しています。 「Uber」がフードデリバリーで世界中に進出したように、今後はUber Freightに関してもその展開国を広げていくことが想像できます。 日本への進出は? 2020年1月時点において、Uber Freightは日本に進出していません。 ただ、日本トラック協会によると日本のトラック輸送産業の市場規模は年間15兆円もあり、日本はポテンシャルとしては大きいです。 そしてそのうちの99%は中小企業という調査結果もあり、多対多を結びつけてより多くのトランザクションを発生させ利ザヤを稼ぐことを生業とするプラットフォームプレーヤーにとって、日本の運輸業界は非常にうま味のある市場だと考えているはずです。 今後日本に進出してくる可能性は極めて高いと考えています。 今後の動きに注視が必要! 日系の輸送マッチングサービスがサービスを開始した時は、「物流版Uber」として紹介されることも多かったですが、皮肉にもその本家であるUber参入の影が見え始めています。 個人的にはUber以外にも、今後中国のBATや、米系のGAFAといった超巨大IT企業もサービスインするのではないかなと考えています。 関連記事
世界の道路ネットワーク距離で各国の物流事情を分析
世界中でEコマースの利用が拡大する中で、消費者に商品を届ける物流網の重要性も高まってきています。 最近ではドローンの活用といった物流領域に先端技術を取り入れる動きも始まっていますが、現実的には特にラストワンマイルの輸送においては陸運に頼らざるをないのが現状です。 今回はそんな陸運を支える道路ネットワークに着目し、世界各国のGDP、人口、面積といった情報と比較しながら、各国の物流事情や特徴を分析してみました。 各国でデータの更新状況が異なりますので、若干誤差が生じる可能性がある点はご了承下さい。 Table of Contents まずはGDPの世界ランキング(2019) 世界の道路ネットワーク距離数 上位20位 1位はGDPで世界1位でもあるアメリカがぶっちぎり。国中に道路ネットワークが張り巡らされているからこそ、国民の需要に対応することが出来、国の経済活動も進んだのかなと考えます。 その後をインドと中国が付けています。それぞれで13億と14億の人口を有するこの2国であれば、上位にランクされているのも納得です。 そして4位と5位につけるのがブラジルとロシア。BRICsを背負う経済成長の面で注目の2国として、上位5に食い込んでいます。 そして惜しくもベスト5を逃した6位の日本。他国と比べて面積が小さいながら検討しているのではと考えます。 GDP上位国は道路ネットワークでも上位につけている傾向が見られます。GDPと道路ネットワークの距離は密に関連しているということが考えれます。 対面積あたり道路ネットワーク 上位20位 続いて各国の面積(Km2)あたりの道路ネットワーク距離数です。考え方としては人口密度と同様で、1面積単位に対してどの程度道路ネットワークが張り巡らされているのかを分析してみました。 1位は日本が断トツです。 2位のドイツと比べてみても頭一つ抜けているのが分かります。緻密な作業が得意な国民性はこうしたところでも表れているのでしょうか。 そして総距離数では1位と3位のアメリカと中国はベスト10外です。アメリカも中国も面積が大きいことが原因だと考えらえます。 気になるのはタイ。 上位を欧州勢が連ねる中で東南アジアの中では最高の7位につけています。 タイも日本と同じく国有面積は小さいですが、道路ネットワークという点では整備された国であることが考えられます。 面積の小さい日本やドイツがランク上位にあり、面積の大きい国がランク下位にあることを考えると、面積の大小が道路ネットワークに与える影響は小さいと考えられます。 対人口あたり道路ネットワーク 上位20位 最後に人口あたりの道路ネットワーク数です。 こちらの分析では上位ランクほど人口あたりの道路距離が長いということになるので、考え方次第では無駄に道路が長いということが考えれます。 逆に下位であるほど、総人口に対する道路の距離数が短いという結果になるので、考え方次第では道路が足りてない=まだまだ道路ネットワークを拡大させられる余地があるということが考えられます。 1位は意外にもフィンランドです。 こちらはフィンランドの道路距離数に林道、公道、私道といった情報が含まれているので距離数が伸びたというのと、人口が500万人程度なので人口の少なさが原因だと考えられます。 ランク下位はインド、インドネシア、中国、トルコ、イギリスです。 イギリスを除けば人口が多い国であるという傾向が見えてきます。 人口が多い国が下位にあり、人口の少ない国が上位にいることを考えると、人口の多い/少ないが道路ネットワークに与える影響は小さいということが考えられます。 ◆結論 ◎GDPと道路ネットワークは傾向としては相関関係にある ◎面積が大きかったり人口が多ければ道路ネットワークも長いとは限らない ◎また面積が小さいから道路ネットワークも短いとも限らない 関連するおすすめ記事!! 物流ニュース!!
南アフリカにおけるトラックドライバーの労働基準
南アフリカにおけるトラックドライバーの労働基準について調べてみました。 南アフリカにおける道路の総距離は世界で10番目と巨大な輸送ネットワークを有しています。南アフリカのGDPは2011年をピークに2016年までは下降トレンドでしたが、2017年と2018年で連続して前年比を上回っていて景気回復の傾向にあります。 ポテンシャル大きい南アフリカ市場でビジネスを検討する際に参考にしてみて下さい。 ◆南アフリカ(South Africa) 【労働時間の上限】 南アフリカ政府が発刊している官報(Government Gazette)のRegulation 272によれば、南アフリカでのトラックドライバーの労働時間に関しては下記の通り定められています。 -連続運転可能時間は5時間まで。その後10分間の休憩を取ること -5時間30分の運転時間の中で、累積で30分間の休憩をはさむこと -24時間の中で運転できるのは15時間まで。連続して9時間の休憩を取ること 上記法規制が定められている一方で、南アフリカでは労働組合による団体交渉(Collective Bargaining Council)による取決めの力が強いそうで、現実的にはこちらの労使交渉で決まった下記上限に従うことの方が多いとのことです。 -90時間/週以上を超えないこと ※これは残業時間や休日出勤も含む 【法定最高速度】 南アフリカでの法定速度制限は2017年3月に改訂されたばかりです。 南アフリカでの速度制限は、Urban(都心部)、Rural(地方部)、Freeway(高速道路)の3区分に分かれていて、改訂前比で20Km/hour下方修正されました。 -Urban Area: 40Km -Rural Area: 80Km -Freeway: 100Km ※ただし、9000Kg以上のトラックに関しては制限速度が80Km/hourとなるようです。 【その他】 ・Government Gazette Regulation 272Cによればトラックドライバーは自身の運転時間を記録しておく必要があります 【備考】 ・南アフリカでは、外国人のトラックドライバーを追放しようと暴力的な行為が多発していて、治安は良好ではない
インドにおけるトラックドライバーの労働基準
インドにおけるトラックドライバーの労働基準について調べてみました。 インドでのビジネスの参考にしてみて下さい。 ◆インド(India) 【労働時間の上限】 2019年時点で、インドにおけるトラックドライバーに関する労働時間の上限は設けられていないようです。 一方インドにおいても、Eコマースの普及によって出荷物量が増加しているのに反して、トラックドライバーが不足している状況が続いているというデータが出ています。 こうした中でインドにおけるトラックドライバーの労働環境は悪化傾向にあり、今後新たな規制が導入される可能性は十分にあり得ると考えます。 【備考】 ・インドにおける政府運輸機関はMotor Vehicle Actによって管轄されている ・工場法(Factories Act 1948)という工場で働く労働者に対する法規制は制定されている 【参考サイト】 ・インドにおけるトラック事情 ・インドにおけるトラックドライバーの健康面が悪化しているデータ
ドバイにおける道路交通法
ドバイにおけるトラックドライバーの労働基準法の続きとして、今回はドバイにおける道路交通法全般を調査しました。 道路交通法は当然一般車も含まれますので、本記事ではトラックドライバーに関連しそうなポイントのみを抜粋しました。 詳細については引用先の記事を確認下さい。 主な法律と罰金 ・後部座席含めて、車内の人間がシートベルトを締めていない:400AED/1人 ・運転中の携帯電話の操作:800AED ・赤信号無視:1000AED+30日間の免停 ・人身、対物事故:3000AED+1年間の免停 ・トラックが車線変更の規則を無視:1500AED ・緊急車両に道をゆずらない:1000AED ・交通事故後に車を停止させない:1000AED ・排ガス規制の無視:1000AED ・飲酒運転:訴訟扱い+90日間の免停 ・無許可でエンジンを改造:1000AED+30日間免停 ・ドラッグの利用者による運転:60日-90日の免停+訴訟 ・ゴミを捨てる:1000AED ・ウィンカーを付けずに車線変更:400AED ・トラックの後部に蛍光ステッカーを張らない:500AED ・有効期限の切れたタイヤを利用:500AED ・タクシーやバス専用のレーンを走行:400AED ・スピード違反-20KM以内:300AED-20-30KM以内:600AED-30-40KM以内:700AED-40-50KM以内:1000AED-50-60KM以内:1500AED-60-80KM以内:2000AED+30日免停-80KM以内:3000AED+60日免停 ソース 40 traffic laws that all drivers in Dubai need to know(2017/12/24) 関連するおすすめ記事!! 物流ニュース!!