Category: ソリューション/Solution

LLamasoft・CoupaなのかOptilogicなのか

LLamasoft・CoupaなのかOptilogicなのか

サプライチェーンデザインというと、正直かなりマニアックな世界だ。 それでもこの記事にたどり着いているということは、少なからず何らか物流やサプライチェーンに関わっている人なのではないかと思う。   僕自身、もう何年もLLamasoftを使ってきたので、正直かなり愛着があるソフトだ。 ただ最近、何やら新興ソフトが出てきたということで、ちょっと調べてみたのだ。   Optilogicとは? 「Optilogic」というらしい。呼称はオプティロジックでよいのだろうか。 創業は2018年。つまり、まだ10年も経っていない。 機能としては線形計画法を用いたネットワーク分析を中心に、輸送領域や統計的手法を用いた在庫最適化などを提供している。 ちなみにLLamasoftに比べると、価格はやや安い。 一方機能についても、ほぼ同一のものである。 創業者はDon Hick。どうやら元LLamasoftのCEOだったとのこと。 つまり、自分で創業し率いていた会社と競合する会社を、あらためて自ら立上げたということだが、若干違和感を感じので調べてみた。     深堀して見えたきた背景 自分で創業したサービスと同一サービスを廉価で出すということで、何やら個人的な恨みでもあるのだろうかとかんぐってしまう。 ということで、もう少し深掘ってみたのだが、なんとなく状況が見えてきた気がする。   以前の投稿でも触れたのだが、LLamasoftはアメリカのCoupaという購買プラットフォーム企業に買収されている。 そしてそれがちょうど2018年。 つまり、企業を売却した後自ら同等のサービスを再度ローンチしたという筋だろう。 M&Aの世界ではかなりグレーだが、キラキラ米国では「あるっちゃある」世界なのだろうか。   ただこれ、国内のM&Aの感覚ではやや引っかかる。 というのも、本来売却した企業と同じサービスを提供することは日本の会社法では一定の制約があるからだ。   というか、そもそも「倫理的にどうなん!?」って思ってしまうのは僕だけなのか。 これが許されるなら、企業売却→廉価サービス投入→また売却を繰り返せてしまう。 結局勝つのは、創業家だけ、ってか。     追伸:Optilogicを相手取った裁判 その後もうちょっと調べてみると、どうやら訴訟案件になっているようで。。。 競業違反ではなく、著作権侵害が軸のようです。   訴訟案件リンク:COUPA SOFTWARE INC. and LLAMASOFT LLC, V. OPTILOGIC, INC., DONALD HICKS   裁判はまだ係争中?っぽいので、暫くはコンプラ違反回避のためLLamaちゃん使う感じですかね。 ただ今後の情報アップデートは必要ですね。   ただそもそもこの領域自体将来的にはAIなどによって大きく業界構造が変わるから、もしかしたら井の中の蛙なのかもしれないが笑。 とはいえ、だからこそ引き続きこの業界は要チェックしていきたいと思います。

外資系物流社員が注目する物流DXテクノロジー

外資系物流社員が注目する物流DXテクノロジー

こんにちは。 現在は物流向けにITコンサルティングをしています。 先日ヤマト運輸さんが宅配分の配達を一部地域で1日遅くする報道が出ていました。 物流業界は元々成り手が不足していましたが、そこに残業時間に上限が設けられる2024年問題が控え、オペレーションはかなりひっ迫している状況みたいです。 一方、インバウンドの旅行者は感染症直前の水準にまで増えていて、国内の物量は増加傾向という状況。。。 そうした中で物流オペレーションの効率化は今まで以上に求められていますよね。 ということで、実際に物流業界で働いている身として、幾つか気になる物流テックやサービスをまとめてみました。 ●ハコベル ハコベルは、セイノーホールディングスとラクスル社が共同出資している物流サービスです。 スポット配送に強みを持っていて、ネットから配送依頼ができるので、トラックを突発的に1台手配したいといった場合に便利なサービスです。 一定の配送は定期便にお願いして、足が出た物量はハコベルを組み合わせて活用することで、より積載・コスト効率の良いオペレーションが実現可能です。 ●Souco Soucoは、倉庫のマッチングサービスで、必要な分・期間だけ倉庫が借りられるサービスです。 季節性のある製品を扱う会社や、需要が急に増え倉庫の追加スペースが必要な場合、必要な分だけ間借りできるので、無駄がなくコストメリットが高いです。 3PL企業や物流不動産会社に委託しようとしても、そもそもスペースが余っていなかったり、求めている場所に倉庫がないケースもあるので、こうしたプラットフォームを使うと求めている条件に当てはまった倉庫が見つかりやすいです。 ●Rapyuta Robotics Rapyuta Robotics(ラピュタ・ロボティックス)は、ピッキングロボットを提供するロボティックス企業です。 ロボットはAIが搭載されているので、最適なピッキングルートを計算して、より効率のいい庫内オペレーションを実現します。 いかがでしたでしょうか。 他にも色々気になっているテクノロジーはありますので、順次更新していきますね!

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

物流といえど、その仕事内容や職種は多岐に渡りますので、それぞれが置かれた状況や役割によって求められるスキルや知識も異なります。 物流施設で働きたいのか、貨物の輸送に携わりたいのか、貿易実務に携わりたいのか、倉庫の設計がしたいのか等です。   また資格取得には労力も伴いますので、どうせ勉強するなら実務につながる資格を取りたいものです。 そこで、実際に物流業界で働く筆者が、実務を通じて役に立つと感じた物流/ロジスティクス関連の資格をピックアップしてみました。 1.通関士 通関士は物品の輸出・輸入時に必要な通関書類の作成や手続きを行う人のことです。 日本では通関業務は許可制となっていますので、営業所毎で通関士を設置する義務があったり、通関士が押印記名しなければならない書類が決められていたりと、通関士は通関事業者にとって無くてはならない存在です。 難関資格で合格へのハードルは高く、簡単には取得できない資格ですが、その分この道のプロとして安定的に活躍していくことも可能です。 ここ最近では「将来無くなる職業」に通関士が入っていたりと、通関士に対して悲観的な意見も見受けられますが、全くそんなことはなく、むしろ近年、FTAなどの貿易協定や関税の引き上げ施策等で貿易は益々複雑化していて、関税に関する知識の需要は上がっていくと見るべきです。 今後はAmazonやEBayといった国境を越えたEC取引(越境EC)が増加することを考えても、将来性も見込める資格だと考えます。 ●試験頻度:年1回 ●合格率:10~15% ●難易度:高 ●想定される役職:関税コンサルタント、シッピングコーディネーター等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで通関士の詳細を確認      2.運行管理者試験(貨物) 運行管理者試験は、貨物自動車の安全確保を目的とした国土交通大臣指定の実施機関が実施する検定制度です。 トラックドライバーの運転時間や休憩時間の管理、点呼の実施や運転者の疲労状況の確認、運行日報の保管といった運輸事業全体のマネジメントを担う仕事です。 こちらも必置資格に分類されていて、営業所毎で抱えるドライバーの人数に応じて、資格保有者を置くことが義務付けられています。 そうした背景もあって、資格保有者には資格手当が支給される場合もありますし、そもそも求人要件として資格保有者必須としている企業も多く、資格取得がキャリアアップに直結しやすいです。 合格率も30%台で、且つ試験は年2回のみですので、簡単に取れる資格ではないですがその分資格を保有する価値は相対的に高くなります。 ●試験頻度:年2回 ●合格率:30%~40% ●難易度:中 ●想定される役職:倉庫オペレーションマネージャー等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで詳細を確認      3.フォークリフト運転技能者 フォークリフト運転技能者は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な資格です。 倉庫内でフォークリフトを運転し大型の荷物を運搬したり、トラックに積み込むことが仕事内容となります。 企業規模や業界に縛られず、倉庫施設であればどこでも活用されますし、誰にでも操縦出来るわけではないので、実オペレーションを回す上でのキーマンとなれます。 資格手当が出るので待遇も上がりますし、周囲からも必要とされるスキルでもあるのでやりがいを感じやすいですし、現場志向のひとであればおすすめの資格です。 一方合格率は90%越と、基本的には講習に参加すれば誰でも取得できてしまうような資格なので、ライバルも多くなります。 ●試験頻度:月1回程度(初学者講習の場合) ●合格率:90% ●難易度:易 ●想定される役職:物流倉庫担当者/マネージャー、出荷場エリアマネージャー ●教育給付対象:×     4.簿記検定 簿記は企業の様々な経営活動を帳簿に記録し、財務諸表等の報告書をまとめていくことです。 業界問わず様々な業界で活かせる資格なので、社会人に人気の高い資格の1つでもあります。 簿記というと、会計・経理職に求められるスキルだと思われがちですが、簿記を理解することで、経理事務に必要な会計知識だけでなく、企業の経営管理や財務分析としても活用可能な資格です。 物流は多大な設備投資や費用が発生するので、いつの時代も企業経営者の悩みの種となります。 製品の小ロット化が進み、コスト全体に占める物流費の割合が上がっていく中で、物流コストの分析・最適化人材へのニーズは高く、物流関係者にとっても重要なスキルです。 簿記検定は難易度順に簿記3級、2級、1級に分かれています。初学者はまずは3級や、余裕があれば2級とのダブル受験もおすすめです。 ●試験頻度:年2回~3回 ●合格率:30%~40%程度 […]

外資系物流社員がおすすめする物流書籍をカテゴリ別で公開

外資系物流社員がおすすめする物流書籍をカテゴリ別で公開

IT技術の進化や新型コロナウイルスの影響により、自社の物流網・サプライチェーン網の見直しを進めている企業も多いのではないでしょうか。 更に日本では人手不足、高齢化といった社会構造の変化も重なっていて、サプライチェーンを抜本的に見直す必要性も高まっています。 そうした中においても、情報を浴びて、少しも多くのインプットを増やしておくことが大切だと考えます。 本記事では外資系物流企業で勤務するブログ運営者が、物流担当者におすすめの物流書籍を紹介したいと思います。       おすすめの物流本・書籍 これまで読んできた物流関係の本の中で個人的に好きだと感じた本をカテゴリ別にまとめてみました。 カテゴリとしては下記となります。 1.初級者向けの書籍 2.専門性を培いたい人向けの書籍 3.物流コンサルタントを目指したい人向けの書籍 4.物流トレンドを抑えたい人向けの書籍 参考にしてみて下さい。     ▶初級者向けの書籍 いざ、物流業界へ! これから物流の世界に足を踏み入れようとしている初級者向けだと感じた書籍です。     『物流業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』 企業研究、先端技術の紹介、業界構造、物流関連の法規制等、1冊に内容が沢山詰まっているので、物流を知る上では大変コスパが良い。 2021年発刊のベストセラー本。初心者向けに法令等細かい点が整理されている。 まずはここから!って感じですかね。 リンク     『基礎から学べる!世界標準のSCM教本』 APICS/ASCMという団体が作った世界水準でのSCMフレームワークの日本語訳です。 物流はマテハンの手配、不動産、人員配置、トラック手配など、沢山の人々が関わりますので、社内外で沢山コミュニケーションが発生します。 こうしたフレームワークを理解しておくことで、物流関係者とグローバルレベルで意思疎通ができるかなと思い、おすすめ本に選定しました。   リンク       ▶専門性を培いたい人向けの書籍 物流業界に身を置いている人が、もう一歩専門性を培いたい時におすすめの本です。     『需要予測の基本』 需要予測の精度を上げれば、無駄な発注を避けられるので在庫を最適化できます。 昨今ではAIによってその精度も上がってきていますし、その重要性も上がっています。 一方、そもそも需要予測とは何のか?どういったことから手を付ければいいのか? 需要予測の担当者として専門性を高めていきたい人が、その道に進む前に読むのにおすすめの本です。   リンク     『すぐわかる物流不動産』 物流業界は2000年代初頭からの3PL企業の登場によって、大きく構造が変わったと言われています。 それに伴い、広大な土地を買い、そこに複数のテナントを入れるという物流不動産ビジネスも始まりました。 どこに倉庫を構えればいいのか、どのように物流不動産を買えばいいのか、投資金額が大きいので物流不動産は専門性の高い職業の1つです。 […]

SAPとMicrosoft、サプライチェーンとインダストリー4.0領域で協業

SAPとMicrosoft、サプライチェーンとインダストリー4.0領域で協業

独のソフトウェア企業SAPと北米のMicrosoft社が、デジタルサプライチェーンとIndustry4.0の設計や運用をクラウドやエッジ環境上で行えるよう協業すと発表しました。 ※原文はこちら   ●筆者の感想 Microsoftは他社のITシステムと容易に接続できるようプラットーフォームのオープン化に積極的であるが、今回のSAPとの発表でその基盤はさらに強固なものになることが考えられます。 SAPの競合他社のOracle社もサプライチェーン管理製品を発表しているので、今後Oracle社がどのような施策を展開してくるのか(Microsotと協業するのか)、そしてMicrosoftのAzureの競合製品であるアマゾンのAWSがどのように動いてくるのか、気になるところです。

Gartnerが2020年Magic Quadrant for TMS(輸送管理システム)を発表

Gartnerが2020年Magic Quadrant for TMS(輸送管理システム)を発表

北米のリサーチ会社Gartner社(ガートナー)が2020年のTransport Management System(輸送管理システム)のMagic Quadrantを発表しました。   【2020年の結果】   【2019年の結果】   ・2019年のリーダーポジション6社(Oracle、JDA、SAP、Manhattan)は2020年も変わらずにリーダーポジションを堅持。 ・2019年比では、Manhattan社とE2Open社が2019年から大きく前進。特にAbility to Executeが伸びる。

サプライチェーンにおけるレジリエンスとは? 各社の取り組み内容や定義のまとめ

サプライチェーンにおけるレジリエンスとは? 各社の取り組み内容や定義のまとめ

ここ最近物流関係者と会話している中で、新型コロナウイルスによる影響もあってか、resilience/レジリエンスという言葉を耳にする機会が増えてきたと感じます。 このresilienceですが、直訳すれば「回復力」や「弾力性」です。 危機的な状況や不利な状況ら脱する=回復する力ということですよね。   多くの会社は新型コロナウイルスによって突如危機的な状況に陥り、会社を立て直す必要が出てきている中で、「resilience」が注目されるのも分かる気はしますね。 実際北米のソフトウェア会社Blujay Solutionsが実施した調査によると、先般より続く新型コロナウイルスによって発生した混乱の教訓を活かして、約75%もの企業がサプライチェーンを見直す必要があると考えているそうです。     サプライチェーンにおけるレジリエンスの意味 このresilience(レジリエンス)ですが、サプライチェーンとの関わりにおいてどのような意味合いで使われるのかは分かりずらくないでしょうか。 サプライチェーンを回復する力・立て直す力と言われても、なんかピンと来ないです。 幾つかその意味合いについて、参考書籍から引用させて頂きます。   著書『The Resilient Enterprise: Overcoming Vulnerability for Competitive Advantage (English Edition)』によると、 For companies, resilience measures their ability to, and the speed at which they can, return to their normal performance level following a high-impact/low-probability disruption. レジリエンスとは、予測できなかった事象が発生し企業が大きな脅威にさられて企業が危機的な状況に陥った状況から元通りに回復するための、力とスピードのこと。   そういう意味だと、日本はこれまでも幾度もの地震や津波、戦争といった危機的な状況に陥っては立て直してきた経験がありますので、レジリエントな力は持っているのかもしれません。     一方、セイノー情報サービス(株)社長でもある鳥居さん監修の書籍『協調時代のサプライチェーン』の中では下記のように書かれています。   […]

米Coupa、ラマソフト社の買収を発表

米Coupa、ラマソフト社の買収を発表

北米に本社を置く電子購買ソフトウェアプロバイダーのCoupa社が、サプライチェーン分析ソフトウェアプロバイダーのLLamasoft(ラマソフト社)を買収したとのビッグニュースを発表しました。 買収金額は$1.5 Billion(日本円にして約1,600億円)とのことです。   Coupaは購買調達ソフトウェアプロバイダーで、下図のGartner社が発表した2020年度のMagic Quadrantレポートでもリーダーポジションに選出されています。 BtoB向けITサービス界隈では、有名な企業です。   そんなCoupa社が、AIを取り入れたサプライチェーン分析ツール(特にネットワーク分析に強い)の買収するとのことで、これは大きな動きとなるのではないでしょうか。     なお、CoupaのCEOは今回の買収にあたって、顧客がサプライチェーン全体のinstant visibility(即効性のある可視性)、agile planning(素早い計画能力)、timely risk mitigation support(タイムリーなリスク管理サポート)を必要としている中で、ラマソフトのサプライチェーンデータ分析能力とCoupaが保有する顧客の決済データを組み合わせることで、より強力な購買決済プラットフォームを構築していきたいとコメントしています。 CoupaもLLamasoftも世界的には高いプレゼンスを持つ企業ですので、両者が掛け合わさった今後の展開が楽しみです。   ※原文は下記からご覧ください。 ※詳細はこちらから

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