北米の運輸業界を分析 運輸企業の相次ぐ倒産を紐解く


ドイツ調査会社のStatista社によると、2018年の北米における運輸業界(Trucking Industry)の売上高は総額$796 Billion≒87兆円と、2017年の$700 Billionの約113.7%増だと試算されています。

アマゾン等オンラインビジネスの普及による物量増によって全体として追い風を受けているように見える運輸企業ですが、Business Insiderによると北米における2019年の運輸企業の倒産件数は675と、2018年の175から約3倍にも増えているそうです。

その結果、全米で数千規模のドライバーが職を失うことになり、2018年から一転、運輸業界は逆風に立たされています。

北米の一大産業である運輸業界において何が起きているのでしょうか。

2019年大きな変化にさらされている北米の運輸業界について調べてみました。

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2019年の物量は、2018年比で減少している

北米の運輸業界のトレンド分析の指標でCass Freight Indexというのがあります。そのCass Freight Indexの発表によると、2016年~2018年の北米における物量は毎年増加傾向にありましたが、2019年は月によっては約6%も総物量が減少しています。


コストは横ばい

一方、運輸企業のExpenditureは、2018年とほぼ横ばいです。

物量が減ったため運輸企業の総売上高は減少傾向にありますが、売上高の減少と連動する形でコスト削減が出来ていないことが分かります。

運輸企業の費用を吸収できず、企業の収益を圧迫していることが考えられます。


主な倒産理由

Business Insiderが実施した倒産企業の調査によると、企業が倒産した主な理由として下記が述べられていました。

1.規制対応にかかるコストが増加

40年以上の歴史を持つStarlite Trucking社のCEOは、倒産理由についてカリフォルニア州の州規制に伴うコストが圧迫したと述べています。

また2017年には$402 Billionの年間売上高を稼ぎ、全米で1400人のトラックドライバーを抱えるNew England Motor Freightは2019年2月に倒産し、その理由の一つに州政府の規制を上げています。

年々増加する政府による法規制の変化が、運輸企業の経営を圧迫していることが分かります。

2.車両保険料の高騰

倒産理由の中でも多いのが、保険料の高騰でした。

New England Motor Freight社は倒産理由の一つにHigh cost of insuranceだと述べています。

また1983年にアラバマ州で設立した老舗のCarney Trucking Companyも保険料の高騰を倒産理由に上げています。

昨今人手不足による運賃の値上げが話題に上がることが多いですが、運賃値上げの背景には人件費の高騰以外に保険料といった不随費用の高騰も原因となっていることが考えられます。

3.業界構造の変化

オハイオ州に拠点を構える約500人のドライバーを保有するFalcon Transport社は、自社の倒産理由として、General Motorsの工場閉鎖を挙げています。

アメリカの大手自動車メーカーのGM社は、オハイオ州の大規模工場を閉鎖することを発表しています。

工場閉鎖により仕事を収益源を失い、倒産してしまいました。

どの業界にニーズがあるのか見定めた上で、工場閉鎖といった突発的な変化にも対応できるようなリスクヘッジを行いつつ、規制や保険料といった不随コストの増加に対応できるようITを活用する等の他コスト削減施策を推進といった経営マネジメントがより重要になっています。

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