Month: December 2018

外資物流企業のブロックチェーン利用動向

外資物流企業のブロックチェーン利用動向

1.IBM×Maersk合弁会社ShipChain Maersk(マースク)はデンマークの本社を置く世界最大の海運企業で、2017年の売上高は30.9billionドル(約3.4兆円)。 IBMはニューヨークに本社を置くコンピュータ関連サービスを提供する企業で、2017年の通期売上高は79.1billionドル(約8.7兆円)。 この巨大企業2社がブロックチェーンを活用して国際貿易をグローバルでデジタル化するプラットフォームを開発する合弁企業を設立。 プラットフォームにはイーサリアムを使っていて、ブロックチェーン上にモノの輸送に関わるあらゆる情報とデータを蓄積/可視化/共有することで、輸送取引の効率向上/盗難の削減といった効果が見込めるとのこと。 既にアメリカに本社を置く鶏肉処理会社のパーデューファームズとパイロットプロジェクトを開始したと発表している。 ソース:https://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/53614.wss 2.Modum スイスに本社を置く企業。 医薬品輸送においてブロックチェーンを活用しているとのこと。 スイスの郵便事業会社のスイスポストと提携して、医薬品やその他温度管理が必要な貨物の輸送において、パイロットプロジェクトを実施したと発表。 MOD Tokenという独自通貨も発行している。 ソース:https://www.supplychaindive.com/news/3-blockchain-applications-to-watch-in-logistics/528823/ 3.300Cubits 香港に本社を置く企業。 荷主と輸送会社がデポジットを出して、荷主が倒産したりして荷物を受け取らなかったり、輸送会社が倒産した場合に両社がプールしたお金を取れる保険システム。 イーサリアムベース。 TEUという独自通貨を発行している。 ソース:https://300cubits.tech/ そもそもブロックチェーンや独自通貨を発行する必要があるのか検証することが重要そう。 ブロックチェーンを使わずに、世の中に既にある技術や決済システムを使った方がいい場合もありそう。

【海外物流】海外小売の自動運転動向

【海外物流】海外小売の自動運転動向

■クローガー社の自動運転の取組み ・クローガーとは アメリカはオハイオ州に本社を置くスーパーマーケットチェーン。 ウォルマートとホームデポと共に大手企業の一角を担う。 ・売上高 1227億ドル(2017年)≒12.5兆円 ※ちなみに日系イオンは約8.2兆円(2017年) ・取組内容/動向 自動運転車のスタートアップであるNuro社で提携して自動運転カーによる無人配達の実証実験を実行。 最大時速40kmのスピードが出せて、商品発送時と配達先到着時にスマホ等で注文者に連絡する。 一方、実証実験中には無人カーがバッテリートラブルにより動かないといった障害が発生したとのこと。 今後は無人カーを手動でコントロールできる有人車が後方を走りながら実証実験を進めていく。 ※完全自走まではまだ時間がかかりそう 2018年12月の記事より引用 ■アップタウングローサリー社の取組み ・アップタウングロサリー社とは アメリカはオクラホマ州に本社を置く地域密着のスーパーマーケット。 ・売上高 未上場企業のため非公開。 ・取組内容/動向 カリフォルニアのスタートアップであるUdelvと提携して自動運転の無人EVバンによる配達を来年(2019年)の6月までに実施することを発表。ちなみにUdelvは総合商社の丸紅が出資を発表しています。 導入初期は人のサポートによるセミ自動運転で開始し、完全無人を目指す。 この企業は州内に最先端のコントロールセンターを作り、車両のモニタリングとコントロールを行うと発表。 ※こちらもまだ実証実験の段階で来年以降本格展開の予定。 2018年9月の記事より引用 ■ウォルマート社の取組 ・ウォルマート社とは アメリカはアーカンソー州に本社を置く世界最大のスーパーマーケット企業。 西友の売却報道がニュースになりました。 ・売上高 56兆円(2017年) 世界の売上規模ランキングで5年連続首位です ・取組内容/動向 アメリカはマイアミ州でフォード社と自動運転スタートアップのWaymoと提携してパイロットプロジェクトを実施したと発表。 ウォルマートとフォード社は自動運転が未来を変える可能性を持っていると信じている一方で、まずは顧客や人々が自動運転とどのように付き合いたいと感じているのかデータを取る必要があると語っています。 ※マーケットインの発想でいいですね。 2018年11月の記事より引用 海外物流はテクノロジーとの掛け合わせで日々進歩していて面白い。 毎日勉強を続けていないといつの間にか世界の潮流から取り残されそう。

【物流改革】コールドチェーンに潜むリスク

【物流改革】コールドチェーンに潜むリスク

コールドチェーンは生鮮食品や薬を冷蔵・冷凍の新鮮な状態で消費者に届けることを目的とした物流方式です。 昨今物流業界のトレンドになっていて、国内大手輸送のヤマトはコールドチェーンを経営戦略の軸に置きグローバル展開を図ることを明言しています。 非常に便利な半面、これらを実運用させる上ではクリアすべき課題や大きなリスクも存在しています。 以下にて現状考えられるリスクをまとめてみました。 1.冷暖房設備のダウン 輸送中に冷暖房設備が壊れたり、ドライバーが冷暖房を入れ忘れたり等、冷暖房設備が壊れる可能性は様々考えられます。 こうした事態に対応できるバックアップ設備があればいいですが、設備がない車両だととても危険です。 2.国毎でインフラ水準が異なる 海外を含めた輸送網を構築する場合は、各国で異なるインフラ水準もリスクです。インドや東南アジアのインフラ途上国では頻繁に停電が起こりえます。電源供給が出来ず、冷暖房を維持できなくなると、温度に敏感な配送物はダメージを受けます。 3.輸送ネットワーク構築 近年ドライバー不足やドライバーの高齢化が社会問題となる中で、そもそも輸送会社はドライバーを確保しEnd to Endでもモノを届けられるだけの力があるのかという問題もあります。 特にコールドチェーンの場合は一般貨物との混載が難しく、人材確保含め最適な輸送ネットワークが構築出来なければ輸送コストが高くなり、採算が取れなくなります。 4.人的ミス 荷物に関わる全ての人が丁寧に扱ってくれればいいですが、教育不足や、担当のモラルが低かったりすると、コールドチェーンは成り立ちません。 粗雑な荷物のハンドリング、実務面でのミス、輸送関連の事務処理の遅れが、輸送の遅延や輸送対象物の破損を招くリスクがあります。 5.盗難 世界中で貨物の盗難は問題となっていますが、コールドチェーンも例外ではないでしょう。高価な食材等を輸送する場合は盗難の対象になるリスクがあります。 →(続)解決策 関連するおすすめ記事!! 物流ニュース!!

【物流改革】コールドチェーンに潜むリスク(続)

【物流改革】コールドチェーンに潜むリスク(続)

前記事『【物流改革】コールドチェーンに潜むリスク』の続きです。 前記事でコールドチェーンを運用していく上で考えられる様々なリスクを記載したが、現状で考えられる主な解決策についてです。 1.リアルタイムモニタリング コールドチェーンの運用上肝となるのが温度管理です。 もちろん適切な温度帯での管理も大切ですが、冷温設備の管理も行う必要があります。 そこで例えば車両に温度センサーを取り付け、各車両の温度状態をタイムリーに監視することが出来れば、設備の故障に素早く気付くことが可能となります。 その結果、商品へのダメージを未然に防ぐことができ、被害を最小限に抑えることが出来ます。 また車両にGPSを搭載し車両の位置情報が把握できれば、どの車両が、どこで、なぜ、問題を起こしたのか原因の追跡も行えます。 2.ビッグデータの活用 ITデバイスを活用することで輸送に関する様々なデータを蓄積することができます。 これを大量に蓄積したものをビッグデータと言いますが、この輸送ビッグデータを解析して輸送オペレーションを改善することで、より正確なルート設計や、より精緻な配達予定時刻の予測が行えるようにもなります。 その結果、リアルタイムの状況(交通事情や、道路状況等)に合わせた最適なルーティングを組むことが可能となり、より早く目的地にたどり着くことが可能となります。 3.障害対応はスピーディに 万全な対策を整えても、障害や事故は起こってしまうものです。 こうした際に重要となるのが、早急に対策が打つことです。 例えば事故現場の近場を走るトラックを緊急手配するといった対応ができれば、取り返せるかもしれません。 関連するおすすめ記事!! 物流ニュース!!

【物流改革】DNAバーコード×食品×ブロックチェーン

【物流改革】DNAバーコード×食品×ブロックチェーン

先日DNAバーコードという技術を聞いた。 野菜や果物といった生物の遺伝子情報をバーコード上に配列させて表現する技術らしい。 英語のサイトだが、下URLのページ下部にあるバーコードのイメージだ。 DNAバーコードのイメージ アメリカのカリフォルニアにあるSafeTracers社が開発したSafeTraceという商品なのだが、既にFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認も降りていて、アメリカでは実運用が始まっている。 この技術はDNAバーコードを食に応用させて、食品1つ1つに情報を持たせている。 スーパーに陳列されているリンゴ1個1個にこのバーコードが付けることで、これまではパッケージやパレット単位での情報管理だったのが、1品単位で情報管理が行えるようになる仕組みだ。 現状日本のスーパーや八百屋で売っている野菜は、その産地や流通経路といった情報を知ることは難しい。 最近では商品パッケージに生産者情報が載ってることも多くなったが、せいぜい分かるとしてもパッケージや値札についている産地情報ぐらいだろう。 この技術によりもっと細かい流通経路情報が分かるようになってくる。 どこで、誰が、どのような経路で、どこの会社が配送をして、どれくらいの時間をかけて届けられたものなのか。 特にスマホ等のデバイスが広く普及し、センサーの数が増えて商品情報をより細かく取得し蓄積できるようになったのも相まってミクロレベルでの情報の可視化が行える。 これだけでもすごいと思ったのだが、さらにすごいのが、このバーコード実は海藻で出来ているらしい。 技術的なことは詳しく書いてないが、原料が海藻なので食べられるし、味もしないとのこと。 エコの取組の一環で海藻が紙の代用になる話は聞いたことがあったが、バーコードまで作れることには驚いた。 またこの技術、データ管理の仕組みにブロックチェーンを活用することで、データベースの堅牢性も担保しているとのこと。まさに先端技術同士のコラボレーションである。 将来的には食中毒や牡蠣の食当たりもなくなるだろうし、食品業界のみならず医療業界といった他分野でも応用されることになるのではないか。 日本での実運用もそう遠くないだろう。 暗号通貨とブロックチェーンの先に見る世界 ―テクノロジーはどんな夢を見せてくれるのか

【EV】ダイムラーがEVバスの新機種を発表

高級車両のベンツのメーカーであるダイムラー社がEVバスの新機種を2機種発表した。 一つがO500RS 1836で、もう一方がO500RS 1836 RFである。 高級車ベンツのメーカーであるのは有名だが、バスやトラックも製造していて、ダイムラー社の全売上の40%程度はバスとトラックの販売が占める。 日本では神奈川中央交通が運行する、赤い連節バスであるツインライナーがダイムラー製である。 これ↓ ダイムラーはEV車の開発に積極的で車載用電池に3000億の投資を発表していて、今後も一般車両のみならずバス・トラックといった商用自動車でのEV化を推進してく方針とのこと。 世界が排気ガス→電気自動車へと変わりつつある中で、排出規制の法規制もあり、EVは一般車両分野で普及している。 環境に配慮したエコなソリューション提供を行うことが企業ブランドの重要な表現方法の一つとなりつつある中で、EV化の流れは商用車分野にも波及している。

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