Month: December 2022

o9とProject44が協業を発表

サプライチェーン界隈にまた面白い発表が舞い込んできましたね。 AIを活用したサプライチェーンプラットフォームを提供するo9社と、 主に輸配送のビジビリティを提供するProject44社が協業を加速させると発表しました。 *原文はこちら 原文読んでみると、 o9社のコントロールタワーに、Project44が保有するデータを連携させることが可能になるとのこと。 連携させることで、ユーザーはより多くのデータを活用して、サプライチェーン上のリスクを判断したり、対策が講じれるとのこと。 具体的なことは書いてないのでわかりませんが、先日o9はMicrosoftとの協業を発表したばかり。 戦略的には、Microsoftのエコシステムとも連携したわけで、サプライチェーンプラットフォームとしては一大勢力が出来上がりつつありますよね。 ここで厳しくなりそうなのがBlue Yonder、Kinaxisあたりでしょうか。 ただBlue YonderはPanasonicを買収して、ソフト+ハード面からソリューションが提供しでふし、各社で戦略の違いが明らかになってきましたね。

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

実際に働いて分かった物流担当者におすすめの資格

物流といえど、その仕事内容や職種は多岐に渡りますので、それぞれが置かれた状況や役割によって求められるスキルや知識も異なります。 物流施設で働きたいのか、貨物の輸送に携わりたいのか、貿易実務に携わりたいのか、倉庫の設計がしたいのか等です。   また資格取得には労力も伴いますので、どうせ勉強するなら実務につながる資格を取りたいものです。 そこで、実際に物流業界で働く筆者が、実務を通じて役に立つと感じた物流/ロジスティクス関連の資格をピックアップしてみました。 1.通関士 通関士は物品の輸出・輸入時に必要な通関書類の作成や手続きを行う人のことです。 日本では通関業務は許可制となっていますので、営業所毎で通関士を設置する義務があったり、通関士が押印記名しなければならない書類が決められていたりと、通関士は通関事業者にとって無くてはならない存在です。 難関資格で合格へのハードルは高く、簡単には取得できない資格ですが、その分この道のプロとして安定的に活躍していくことも可能です。 ここ最近では「将来無くなる職業」に通関士が入っていたりと、通関士に対して悲観的な意見も見受けられますが、全くそんなことはなく、むしろ近年、FTAなどの貿易協定や関税の引き上げ施策等で貿易は益々複雑化していて、関税に関する知識の需要は上がっていくと見るべきです。 今後はAmazonやEBayといった国境を越えたEC取引(越境EC)が増加することを考えても、将来性も見込める資格だと考えます。 ●試験頻度:年1回 ●合格率:10~15% ●難易度:高 ●想定される役職:関税コンサルタント、シッピングコーディネーター等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで通関士の詳細を確認      2.運行管理者試験(貨物) 運行管理者試験は、貨物自動車の安全確保を目的とした国土交通大臣指定の実施機関が実施する検定制度です。 トラックドライバーの運転時間や休憩時間の管理、点呼の実施や運転者の疲労状況の確認、運行日報の保管といった運輸事業全体のマネジメントを担う仕事です。 こちらも必置資格に分類されていて、営業所毎で抱えるドライバーの人数に応じて、資格保有者を置くことが義務付けられています。 そうした背景もあって、資格保有者には資格手当が支給される場合もありますし、そもそも求人要件として資格保有者必須としている企業も多く、資格取得がキャリアアップに直結しやすいです。 合格率も30%台で、且つ試験は年2回のみですので、簡単に取れる資格ではないですがその分資格を保有する価値は相対的に高くなります。 ●試験頻度:年2回 ●合格率:30%~40% ●難易度:中 ●想定される役職:倉庫オペレーションマネージャー等 ●教育給付対象:〇 ユーキャンで詳細を確認      3.フォークリフト運転技能者 フォークリフト運転技能者は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な資格です。 倉庫内でフォークリフトを運転し大型の荷物を運搬したり、トラックに積み込むことが仕事内容となります。 企業規模や業界に縛られず、倉庫施設であればどこでも活用されますし、誰にでも操縦出来るわけではないので、実オペレーションを回す上でのキーマンとなれます。 資格手当が出るので待遇も上がりますし、周囲からも必要とされるスキルでもあるのでやりがいを感じやすいですし、現場志向のひとであればおすすめの資格です。 一方合格率は90%越と、基本的には講習に参加すれば誰でも取得できてしまうような資格なので、ライバルも多くなります。 ●試験頻度:月1回程度(初学者講習の場合) ●合格率:90% ●難易度:易 ●想定される役職:物流倉庫担当者/マネージャー、出荷場エリアマネージャー ●教育給付対象:×     4.簿記検定 簿記は企業の様々な経営活動を帳簿に記録し、財務諸表等の報告書をまとめていくことです。 業界問わず様々な業界で活かせる資格なので、社会人に人気の高い資格の1つでもあります。 簿記というと、会計・経理職に求められるスキルだと思われがちですが、簿記を理解することで、経理事務に必要な会計知識だけでなく、企業の経営管理や財務分析としても活用可能な資格です。 物流は多大な設備投資や費用が発生するので、いつの時代も企業経営者の悩みの種となります。 製品の小ロット化が進み、コスト全体に占める物流費の割合が上がっていく中で、物流コストの分析・最適化人材へのニーズは高く、物流関係者にとっても重要なスキルです。 簿記検定は難易度順に簿記3級、2級、1級に分かれています。初学者はまずは3級や、余裕があれば2級とのダブル受験もおすすめです。 ●試験頻度:年2回~3回 ●合格率:30%~40%程度 […]

ドイツ鉄道、物流部門売却の方針

ドイツ鉄道、物流部門売却の方針

独ドイツ鉄道は、自社傘下の物流部門DB Shenker(シェンカー)社を売却の方向性で動いていることを発表したみたいです。 この話題は去年から目にしてましたが、当時は噂レベルの情報しか出てなくてスルーでしたが、今回はドイツ鉄道側がコメントを出しています。   ロイター通信社の情報ですが、売却は来年のQ3~A4辺りになる見込みとのこと。 売却先候補としては、ドイツ物流会社のDHLや、PB(プライベートバンク)とのことで、まだ確定はしていない模様。 ただ今回の会社側のコメントで、ドイツ鉄道者が売却の意思をより強く固めたというところは分かってきています。   ちなみにShenkerは世界最大規模の物流会社です。 下記記事にて世界の物流企業のランキングをまとめてみましたが、FedexやMaerskに次いて大きな会社です。 世界の物流・3PL企業の世界ランキング 13社の調査結果   仮にDHLとの合併が実現した場合、業界内では頭1つ抜けて独占状態となり、業界のパワーバランスを大きく崩していきそうですね。 それだけ大きな案件ですので、今後引き続き情報を追っていきたいと思います。

Thoma BravoのCoupa買収をサクッと考察してみる

Thoma BravoのCoupa買収をサクッと考察してみる

なんと、アメリカのBSM(ビジネス・スペンド・マネジメント)ソフトを提供するCoupa社が、Thoma Bravo社に買収されるとのニュースです。 その買収額は、$8Billion。1ドル130円で計算すると、約1兆円となります。   ※ソースはこちら     財務面を考察 ということで、まずはCoupa社の直近の売上高・利益などの財務面を見てみましょう。   ここ5年間を見ると、売上高は$187M→$725Mまで成長してますが、一方利益は赤字拡大中なんですね。 成長フェーズのSaas系企業っぽいですが、先行投資して、後から回収って感じですかね。   売上の規模感としては、$725Millionですので、$1=130円とすると950億円程度ですね。 ですので、下記のようなSAAS企業の直近の売上高と比較すると、 ・Adobe:$15,785M ・Salesforce:$26,492 まだまだ新興企業ではありますね。   戦略面で気になること このBSMやサプライチェーン領域は、ここ数年買収案件が多いですね。 この買収を聞いた時に、パッと頭の中に浮かんだのが、下記のPanasonic社の買収案件。 アメリカのSCM会社のBlue Yonder社をUSD8.5Billionで買っています。 今回のCoupaのバリュエーションとほぼ同額で、売上高も約1,300億円。 正直Coupaのバリュエーションはちょっと高いなと感じたのですが、売上高1000億円程度の会社だとこの規模の金額が付く事例もあるみたいですね。   またもう1つ頭によぎったのが、Thoma Bravo社のAnaplan社の買収です。 これは2022年6月に買収完了していますが、AnaplanとCoupaは若干事業プロセスが連携してきそうな部分があるのですね。   というのも、Coupaが提供するサービスはBSMで、企業の支出管理をするのが中心。 会社の経費精算をしたり、サプライヤーへの支払いプロセスや支出管理をするといった感じです。   一方Anaplan社が提供するのは、 むしろそうして蓄積されたデータを使ったビジネスモデリング(財務、サプライチェーンなど)ツールなのです。   ですので、Anaplanとしては、最適化エンジンを回したり、モデリングを回したりするためにデータが必要で、 そのデータのソースとなりそうなのがCoupaのプラットフォームなのかなと。 だからこの両製品をうまく連携させられれば(どうやるのかは知らん)、支払い管理から最適化までの一貫したツールを提供できるわけですな。 そんなことを買収側が意図しているかは知らんです。 しかもただの妄想程度の話なので、なんだかうまく伝えらえない。。。   というわけで、もちろんこの買収の意図は内部の人間にしかわかりませんが、 タイミングを見てもそうした意図を感じましたので共有してみました。   いずれにせよ、買収するということは、企業に価値があるから買収するわけで(切り売りするとかそういう感じではないと思う)、 そういう意味ではこの企業の将来が楽しみです。 引き続き情報追っていきたいと思います。

o9がMicrosoftのDynamics365との連携を発表 サプライチェーンのデジタル化を推進

o9がMicrosoftのDynamics365との連携を発表 サプライチェーンのデジタル化を推進

o9社はここ数年個人的に注目していた企業なのですが、先日Microsoft Dynamics365と連携することを発表しました。 実質o9社はMicrosoft社のエコシステムに乗ることの意思表明とも取れるので、サプライチェーン向けITソリューション業界にとっては、比較的大きな出来だなと感じます。   ※下図はo9社より引用   実はそのMicrosoft社も、つい先日サプライチェーン向けの新ソリューションの提供を発表したばかり。   自分もMicrosoft社のこのソリューションは実際に試してみましたが、 正直サプライチェーンのデータ管理の機能が中心に構成されていて、 最適化に必要なアルゴリズム周りは提供していないなぁという印象でした。   その矢先にこの発表ですね。 記事にも書いてありますが、需要を予測したり、需給計画などの最適化の部分は、外部システムを取り込む方針なのでしょう。 強者プラットフォームプレーヤーあるあるの、オープン化戦略ですね。   ちなみに下記がMicrosoftのCOO(最高執行責任者)のコメント。 Microsoft社が提供するPower BIなどとのIntegration(連携・実装)も可能にするみたいですね。 ※ソースはこちら   このサプライチェーンソリューション業界は、他にも沢山の企業が登場しています。 今後他社も同社の戦略に追随するのか、あるいは独自の戦略で勝負するのか、業界内の企業同士で合併を進めていくのか、 しばらくは興味深い展開が続きそうです。

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