2024年問題や慢性的な人手不足により、物量がこのままの推移で維持されれば、恐らくいずれサービスレベル(納期や配送品質)に影響が出るか、物理行きコストが増加するタイミングが来るだろう。 需要と供給の関係で見ればそれは明らかで、2024年問題でドライバーの供給量に制限がかかる一方、物量の需要は維持されるのだから、一般的には価格は上がっていく。 そうした影響を受けて物流費が高騰している企業も多いのではないでしょうか。 一方視点を広く見てみると、これは日本に限った話ではなく、世界的にもエネルギー価格の高騰やインフレによりコストが上昇していることがわかる。 例えばアメリカ。 下記の記事によれば、物流費は資源コストの増加やドライバー運賃の上昇により、前年比で20%以上もマージナルコストが上がっていると発表している。 https://www.foodlogistics.com/transportation/trucking/news/22866124/american-transportation-research-institute-atri-motor-carriers-experience-spike-in-equipment-wage-total-costs-in-trucking-atri-study コスト増加は日本に限った話ではなく、世界的にも取り組まなければならない社会課題でもあることがわかりますね。
Month: July 2023
米Blue Yonderのネットワーク供給網とは
さて、この度日経新聞が下記記事を公開したので、ちょっと考察。 ブルーヨンダー、供給網管理の提案強化 3年で営業4割増 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF13B7U0T10C23A6000000/ ブルーヨンダーはパナソニックが8600億もの巨額な資金を投じて手に入れた企業なのだが、伸び悩んでいるという噂もよく見る。 この製品は基本的にはライセンス販売が中心なので、新規顧客獲得が経営成績上重要な指標となってくる。 ライセンスが1つ取れれば、その後何年にも渡ってくるビジネスモデルだが、新規獲得がうまくいってないのだろう。 実際2023年1月には前CEOの桐生氏が退任した報道も出た。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF19C4S0Z10C23A1000000/ 正直一見暗いニュースに映ったのだが、下記の記事にもあるようにパナソニックはブルーヨンダーを買収後自社のサプライチェーンの最適化で本製品を使い、製品のノウハウや活用方法のナレッジを蓄積してきていることがわかる。 https://japan.zdnet.com/article/35187916/17/ こうしたサプライチェーン最適化のソフトは実は新興企業が沢山出てきているのだが、パナソニックの強みはなんと言っても自社のネットワークの構築で実際に使ってきて貯めてきた知見だろう。 他社や他人にモノを売る際、自社のでの成功体験がある方が売りやすいに決まっている。 そういう点では、買収後これまで自社サプライチェーンを最適化することで培ってきたソフトウェアの使い方の「勘所」を今後展開していくというフェーズに入ったのではないかと筆者は考える。 株式上場も目指しているということで、今後が楽しみですな。